適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

島はぼくらと

この島の別れの言葉は「行ってきます」。きっと「おかえり」が待っているから。
瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。朱里、衣花、源樹、新の四人は島の唯一の同級生。
フェリーで本土の高校に通う彼らは卒業と同時に島を出る。
ある日、四人は冴島に「幻の脚本」を探しにきたという見知らぬ青年に声をかけられる。
淡い恋と友情、大人たちの覚悟。旅立ちの日はもうすぐ。別れるときは笑顔でいよう。


お勧めの順番に素直に従って。ミステリ色は強くなく(ちょっとした仕掛けは中盤と最後にあったけど)、青春小説、とでも言うべきか。
とはいえ、紹介文にあるような「淡い恋と友情」よりは、島で暮らす人々と、島に移住してくる人々の関係とか、特殊なコミュニティの閉鎖性とかが本筋だったかも。


高校生4人の男女が仲良すぎだろ、と思ってしまうくらい良い子しかいなかった。でも、こういう環境だと、連帯感が生まれるものなのかもしれないですね。
しかし、島でまともな病院がないって怖いよなあ。去年福江島に行った時でさえ、「医療体制が弱いので感染対策をお願いします」とか書いてたけど、それ以上だもんな…。
学生時代のような友人はもう2度とできない、というのはその通りだと思うけれど、実際、環境が変わるとどんどん疎遠になっていくんですよね。都合が合わないと会う機会もないし。


あと『スロウハイツの神様』のあとに読むべきとされていた理由は、読んでいたらわかりました。こういうスターシステムは楽しいですね。
福島は私の大切な場所、というのも、チヨダ・コーキの故郷だからだもんなあ。次は『家族シアター』かな?短編集らしいので、多分すぐに読み終わりそうですね。