適当な日常を綴る’

万年五月病患者が惰性で書き続けるブログ

カイバ ★★★★★★★★★★

当時は大学受験シーズンで視聴を断念し、後から千和ファンの間でちらほら話題になっていたのでずっと気になっていた作品。
dアニメストアで配信されているのに気づき、これは見るしかない!と思ったので早速見ました。WOWOW作品まであるの本当にありがたい。


タイトルの「カイバ」とは「海馬」のことで、記憶がデータ化され、肉体間の移動や、記憶の売買、書き換えなどを行うことができるようになった世界が舞台。
記憶を失った状態で目覚めた主人公・カイバが、自らの記憶を取り戻すために、体をいくつか乗り換えながら旅をしていく、というストーリー。
難解な作品なのかな?という第一印象だったのですがそんなことはなく、見ていれば問題なく理解できるけど決して浅すぎない、絶妙なバランスが良かったです。


前半は単話完結でカイバが出会う様々な人間との交流が描かれていて、どの話も示唆的でとても面白い。この作品のテーマの一つに「愛」があると思うのですが
例えばコチュとカバ、クロニコとネギ、パッチとキルト…。それぞれが持つ背景とその結末がいちいち重い。特に、自分がこの作品を見ようと思ったきっかけになった
千和さん演じるクロニコのエピソードはとても悲しく、また印象的でした。からの7話のクロニコ(カイバ)とバニラ…。「かあちゃん、ゴメン…。」はズルいよなあ。


後半はカイバの正体にまつわるところで話が展開し、更にダークな様相を呈していってどうなるのかと思いましたが、最後は割とハッピーエンドで安心しました。
カイバとネイロ、バニラとクロニコ、ポポとサテ、キチとひょーひょー、そしてポポ、チェキ。様々な「愛」の形を描いていた今作ですが、全く救いのない「愛」は
なかったように思いますし、チビワープにネイロが「嫌だからよ!(小学生並の反論)」って言う最後の展開は好みでした。結局のところ、理屈ではないんだよな。


作画もとても前衛的で、大学の頃作画オタクの先輩がこの作品好きだったなあ、とかふと思い出しました。湯浅監督の手腕なんでしょうけど、『四畳半』より驚いたかも。
外連味はあれども、決してそこに終始することなく、しっかりエンタメ性も有している上に、哲学的なテーマも内包している。1クールの作品でこの完成度はすごい。
欠点といえば後半に判明する諸々の設定は割と後出し感が強かったかな、と思うくらいで、それを含めても最高評価で良いかな、と。とても自分好みの作品でした。
こういう作品に出会うと過去作の視聴って大切だな、って思いますね。この年になると誰が勧めてくれるわけでもないし、探す熱意を忘れないようにしないと。オタクは枯れたら終わり。