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ありふれた職業で世界最強 ★★★★★★☆☆☆☆

第1話 奈落の底の化け物

第1話 奈落の底の化け物

  • 発売日: 2019/07/09
  • メディア: Prime Video


“いじめられっ子”の南雲ハジメは、クラスメイトと共に異世界へ召喚されてしまう。
つぎつぎに戦闘向きのチート能力を発現するクラスメイトとは裏腹に、錬成師という地味な能力のハジメ
異世界でも最弱の彼は、あるクラスメイトの悪意によって迷宮の奈落に突き落とされてしまい――!?
脱出方法が見つからない絶望の淵のなか、錬成師のまま最強へ至る道を見つけたハジメは、吸血鬼のユエと運命の出会いを果たす――。
「俺がユエを、ユエが俺を守る。それで最強だ。全部薙ぎ倒して世界を越えよう」 奈落の少年と最奥の吸血鬼による“最強”異世界ファンタジー、開幕!


所謂異世界転生モノ。類似の作品が多い中、今作で特徴的だと感じたのは「主人公だけでなく、クラスメイト全員が異世界に転生する」点。
…なんですが、導入でそこについて全然触れないという謎の不親切さ。一人で迷宮を彷徨っているところから始まり、途中で断片的に回想が挟まる。
何となく設定を理解したところで主人公の性格が豹変して最強になる…という、感慨も何もないスピード展開で、掴みの弱さがひどい。当時は1話でドン引きして観るのをやめてしまったし。


2話以降はハーレム要素のあるハイファンタジーとして観られなくはないかな、というレベルでしたが、バトルシーンのCGがショボいという致命的な欠点が目に付きました。
1話のベヒモスを見て「えぇ…」ってなってしまったけど、100層のヒュドラも同等以上のヤバさだったし、最終話とか、一昔前のゲームレベルのCGだった。流石にちょっと…。
ショボいといえば、挿入歌を流してセリフ節約して展開を進めようとする手法が繰り返し使われるのも気になりました。どんな作品でも多少はあるけど、多用しすぎでしょ。


所謂ヘタレ系ではなく「目的達成のためなら手段を選ばない」という冷酷な主人公、献身的に従うユエ、コメディーリリーフのシアとティオ。キャラクターのバランスは良かったかな。
残念だなと思ったのが「主人公が最強になるまでが早すぎる」こと。1話はまるで早回しかよ、という展開の早さで、ここにもう少し時間をかけていれば説得力が違ったかも。
他のキャラも最強レベルのメンバーが多いせいで、CGのショボさと相まって、そこそこハードな世界観なのにも関わらず、戦闘シーンが面白くないんですよね…。


最初に主人公が絶望して…という展開、『盾の勇者の成り上がり』と通じるところがあるな、と思ったのですが、あちらは最初の絶望の描写が丁寧で、掴みがとても良かったと思っていて。
それと比べるとどうしても雑さが目立つ。結局、序盤以外は「ありふれた職業」って何だったっけ?というレベルでしか触れられていなかったので、タイトル詐欺まである。

これは『盾の勇者』の感想でも似たようなことを書いたのですが、所謂「ダークヒーロー」を主人公に据えるなら、それと同じくらい、敵の信念、建前に説得力を持たせてほしいんですよね。
今作だと、ハジメ以外のクラスメイトは殆どどうしようもないやつばかりな上に、描写も少なく影も薄い。相対的にハジメがマシかな?と思うくらいで、説得力が弱いと感じてしまう。
惜しい…というレベルに達しているかはともかく、少なくともこのアニメは(特に序盤の)構成がまずかったな、という印象でした。声を脳内再生して原作読んだ方が良いかもしれない。