スペインの小さな村に住む6歳の女の子・アナ。父親はミツバチの研究に夢中で、母親は内戦で離れ離れになった愛人に手紙を書いている。
姉はいたずら好きで、いつもアナをからかう。…なんでも、この家族の微妙なちぐはぐさが、スペイン内戦による国の混乱を象徴しているらしい。
冒頭、移動映画が町にやってきて、『フランケンシュタイン』を上映するわけですが、アナが「なぜ怪物は女の子を殺したのか、みんなは怪物を殺したのか」と問う。
その疑問が、後半の逃亡者との出会いと、幻想的なラストシーンに繋がってくるのはなんとなく分かったのですが、話の起伏に乏しいので、わくわくする類の作品ではなかったかな。
むしろ、情景の美しさに全振りしていたように感じました。一番印象的だったのは朝焼けのシーンですが、ラストシーンといい、そもそもアナの純粋な美しさといい、芸術点が高い。
折角なので、機会があれば『エル・スール』も観てみようかな。スペイン内戦、高校レベルの世界史ではマイナーだからほとんど深入りしなかったし、実感があまりわかないですね。