- 作者: メアリーシェリー,Mary Shelley,小林章夫
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/10/13
- メディア: 文庫
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軽い物語に回帰。フランケンシュタインは怪物の名前じゃなくて元々怪物を造った博士の名前、というのは今更ですけど、色々な作品でフランケンシュタインが怪物として出てる以上
仕方ないところはありますよね。ちなみに自分はフランケンシュタインという存在を『ドラゴンボール』の人造人間8号で知りました。今思えばフラッペ博士ってもじりだったんだなあ。
主人公・フランケンシュタインが研究に没頭し、遂に人造人間を造ってしまうも、嫌悪感から放置し、誰からも忌み嫌われた怪物が自らを生んだ主人公を憎み、復讐をする、という
悲しいストーリー。純粋な知的好奇心が生み出した存在が、結果的に親友や妻までを殺してしまうという。そして真に悲しいのは主人公以上に、創造主にすら疎まれ、世界中の誰にも
必要とされていない怪物の苦悩ですよね。フランケンシュタインと怪物が山で邂逅し、これまでの経験を語りながら妻を造ってくれと懇願するシーンは特に読み応えがありました。
あとヨーロッパの各地を移動していく描写が多く、単純に風景描写も楽しめましたね。最後、怪物はたとえ復讐が目的でも、自分を追いかけてくれることが嬉しかったのかも、とか考えてしまう。