昭和初期、岡山中学の南部麒六(高橋英樹)は「喧嘩キロク」とあだ名されるほどの喧嘩好きがたたり、放校処分となって会津に転校。
下宿屋の娘・道子(浅野順子)に想いを寄せつつ、その地でも腕っぷしひとつでのし上がっていく。
エレジー感はあまりなく、主人公のキロクが喧嘩を繰り返していくストーリー。なんというか、もう滅茶苦茶なんだよな…。まず高橋英樹の学ランがギャグ。中学生には見えない。
道子さんとの障子越しの別れのシーンとか、軍隊に突き飛ばされるところとか、アヒル先生を笑う生徒のカットとか、印象的な演出はいくつかあったけど全体的にはドタバタ劇。
でも印象的、と言うと一番は夜中に道子さんのピアノの蓋を開けて、下半身を露出させてイチモツで弾くシーンですね。衝撃すぎて忘れられんわ。…というか実際に弾けるのかな?
後半に北一輝が現れ、キロクが大きな喧嘩を求めて東京行きの電車に乗るという唐突な終わり方は謎だったなあ。日中戦争を描いた続編の構想もあったらしい。
多分、この辺の感覚は学生運動が盛んだった公開当時の空気感を通さないと理解できないところなんでしょう。映画に限らず、創作物を楽しむのに歴史の知識が必要になりがち問題。