適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

ファーゴ ★★★★★★★★★☆

自動車ディーラーのジェリーは、多額の借金を背負い早急に大金を必要としていた。
彼は自分の妻ジーンを偽装誘拐させ、自動車業界の大物である義父から身代金を騙し取ろうと企てる。
誘拐を実行するのは、前科者の従業員から紹介された二人組、カールとグリムスラッド。
だがジーンを自宅から誘拐した二人は、隣町まで逃げたところで停車を命じた警官とその目撃者をあっけなく殺してしまう…。


「午前10時の映画祭」で鑑賞。実話を元にしている、というテロップが冒頭に出ていたけど、結局実話ではなかったらしい。どういうことやねん…。
ただの(ということもないけど)偽装誘拐がどんどん悪い方に転がっていき、最終的に7人も殺害される凶悪事件になってしまったけど、意外にも後味は悪くなかった。
先日『赤ちゃん泥棒』を観た時の感想と共通するのですが、コーエン兄弟監督作品、「ダメ人間」が多く出てくるので、観ていてちょっと和んでしまうんですよね。
サイコパス殺人鬼のゲアは怖かったけど、「変な顔」のカールも、ジェリーも憎めない。あと、戸田奈津子のキレキレの字幕にも笑いました。イカレチンポ野郎じゃないんだよ。


途中に出てきた謎の虚言癖日系人は何者だよ…と思っていたのですが、どうも、アレはあの地域の人の二面性を表す描写だったらしい。訛りも全然わからなかったな…。
マージが身重である理由も謎だったのですが、幸福な家庭と不幸な家庭の対比という解釈で良いのかな?今観ると、ある意味こっちのほうが残酷に感じてしまいますけど。


いわゆるノワールモノの中にユーモアを含ませるという、結構好みの作風だったので予想以上に楽しめました。他の監督作品も機会があったらいくつか観てみたいな。