適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS ★★★★★★★☆☆☆

異例の早さで人事がまとまり、まさかの現部署続投になりました。転勤してから3年半同じ部署だし、8割方内部異動だと思ってただけにびっくり。
ジョブローテーションする余裕がないほど他部署の人が辞めるから、という笑えない理由ではありますが。来年度がラストイヤーだと思って、身の振り方を考えないとな…。
まあ、1年ロスタイムをもらったのは事実なので、来年度も極端に労働環境は悪化しなさそう…ではあるけど、上が抜けて責任が重くなるのが憂鬱。まだ下っ端でいたい。


時は戦国。とある地方に、海に面した豊かな国・早川と、早川と同盟を結ぶ小国・秋月、そして覇権拡大に野心を燃やす山名の三国があった。
ある日、山名が秋月に侵攻。圧倒的な軍勢の前に秋月城は陥落したが、生き残った雪姫と莫大な軍資金・黄金百貫は城から消えていた......。
隠された黄金を探す金掘り師の武蔵と木こりの新八は、ひょんな偶然から秋月の隠し金を発見する。その直後、ふたりの前に真壁六郎太と名乗るサムライとその弟が現れた。
六郎太に金を奪われた武蔵たちは、秋月領から金を運び出す奇策を授ける代わりに分け前を要求する。金を運び出すために手を組む武蔵たちと六郎太。
しかし六郎太には武蔵たちには言えぬ秘密があった。そしてそれぞれの思惑を胸にした一向の背後には、冷酷無比な山名のサムライ大将・鷹山刑部の手が迫っていた......。


さて、アマゾンプライムに今月追加された中から適当にこれを。今作の公開当時は高校生で、長澤まさみファンの友人が観に行っていたような記憶があります。
原作の方は黒澤映画の中でも割と好きな作品。太平と又七みたいな三枚目キャラは好きだし、三船敏郎のオーラも圧倒的で、雪姫もなんかエロい(語彙)。


今作の主人公はオリジナルキャラの武蔵(たけぞう)。つまり真壁六郎太は脇役になってしまっており、だいぶテイストの違う作品になっていました。
メイン要素の一つに「武蔵と雪姫の禁断の恋」があるという新解釈。時代劇+ラブロマンス。2008年に松本潤長澤まさみを起用するくらいだから、これはまあ…。
それにしても、松潤があまりにも松潤すぎて、身分違いの恋っぽさがあまり感じられなかったのは残念。後半の武蔵、付け髭した道明寺司かよ、みたいな。


一方で阿部寛演じる真壁六郎太はかなり迫力があり、原作とベクトルは同じだったように思いました。活躍シーンが限られてしまう分見せ場も印象が少し薄いですが。
そもそも甲冑ごと相手を斬り捨てるとか、鉱山の大爆発のあと平然と生き残ってるとか、ご都合主義が多すぎてツッコミどころ満載だし。あまり言うのも野暮だけど…。


長澤まさみについては、この当時まだ演技が上手くないからか、逆に雪姫の初々しさが出ていたし(ちょっとナイーブ寄りだったけど)、可愛さに関しては文句なし。
当時観に行った友人も、映画館でこのビジュアルを観られれば満足したのではなかろうか。感想聞いた時に「長澤まさみが可愛かった」って言ってたのは覚えてるし(


原作の『隠し砦の三悪人』が『スター・ウォーズ』の元ネタになのは有名な話だと思うのですが、今作は逆に『スター・ウォーズ』を逆輸入したパロディ演出が印象的。
鷹山刑部の甲冑がどう見てもダース・ベイダーなのは笑いどころだと思うし、六郎太と鷹山刑部の殺陣シーンもエフェクトが完全にライトセイバーだった。


一番面白かったのは、原作の名台詞である「裏切り御免」を「裏切ってごめんね♪」みたいなテイストで使っていたところ。どんな発想やねん、と思ってしまった。
アニメだと中島かずき脚本作品ってどうしても合わないんですけど、今作のこのアイデアに関しては一本取られた感。原作ファンはブチギレかもしれないですがw
それでも、流石にエンディングがラップ調で「ウラギリゴメン、ウラギリゴメンサ♪」とか言ってるのはちょっとダサかったかな。元々はかなり重いセリフなのに…。


観る前の印象としては、いわゆる「クソリメイク」「原作に謝れ」みたいな感じでしたが、観てみると色々突っ込んだり笑ったりしながら観られて、意外に楽しめました。
他人の評判を頼りに色眼鏡で観るのは良くないな、というのを改めて実感。もちろん、原作が面白いのでスジが同じなら大筋では面白いだろ、というのはありますけどね。