適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

春琴抄


たまには純文学を嗜もうということで、近所の図書館で借りてきました。偶然。たまたま。…まあ、単品ではなかったので全集を借りてきたのですが。
よく考えたら、青空文庫で読めるし、Kindleに無料でダウンロードすればよかったな。週末に出かける予定があるから、その時に返せばいいか。


句読点を極力省いた実験的な小説だということですが、慣れるまでは本当に読みにくかったです。小林麻耶の旦那がこの前書いてた長文ブログを思い出した。
それでも、読んでいくうちに、谷崎潤一郎が描くある種究極の愛の形に圧倒されました。顔に火傷を負った春琴が顔を見られたくないのを察して、自ら両目を潰して失明するのは狂気。
むしろ失明してからの方がより純粋に春琴を感じられるようになっている辺り、佐助の心情はちょっと推し量れるものでもないな。墓まで違うところにしてもらったわけだし…。
谷崎作品、増村監督映画のイメージで異常性愛みたいな漠然とした先入観があったけど、人間の深い愛情、思念が感じられる小説だった。ちょっと興味が湧いてきました。


…それにしても、これを一人で演じるってどういうことなんだろう。一人二役ってこともなさそうだしなあ。ハマり役になりそうだとは思うんですが…。