適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

レナードの朝 ★★★★★★★★★★

阪神戦くらいはWBC強化試合を観ようとテレビをつけたけど、大谷ヤバすぎる。特に1本目の3ラン。本当に規格外ですね。
才木も西も良い球投げてたし、スロースターターの近本も一発打ってたし、今年は期待したいところですが。でもやっぱり守備が…。


1920年代に流行した嗜眠性脳炎によって、30年もの間、半昏睡状態のレナードは、意識はあっても話すことも身動きもできない。
彼に強い関心を抱いた勇気ある新任ドクターのセイヤーは、レナードに試験的な新薬を投与し、機能回復を試みる。そしてある朝、レナードは奇跡的な"目覚め"を迎えた・・・。


さて、書くのが遅れましたが、都会に出たタイミングで、久しぶりに「午前十時の映画祭」で観てきました。文化にすぐ触れられる都会はやっぱりズルいよなあ。
『Awakenings』という原題、とても良いですね。まあ、今作に関しては邦題もセンスありますが。


オチを知らなかったので、治療の結果、患者が奇跡的に目覚め、更に同じ病棟の他の患者にも…辺りまで、感動モノの名作なのかな、と思っていましたが、それだけではなかった。
ノンフィクションだったということも驚きなのですが、薬剤に耐性ができてしまって、皆、徐々に元に戻ってしまうんよですね。残酷…。『アルジャーノンに花束を』を思い出しました。
特に、レナードがポーラと会うのはこれで最後になると悟り、思い出にダンスを踊り、去っていくのを病棟の窓から見つめるシーンとか切なかったなあ。


あとは、レナードがセイヤーに「眠ってるのはあんただ!」と糾弾するシーン。「人間は何のために生きているのか?」という重いテーマを考えさせられました。
他人と距離を置いているだけで眠っている扱いされることの是非は置いておいて、レナードにとっては、あの数ヶ月はセイヤーの数十年より「濃かった」のかもしれない。
この問題に関しては、自分は「明日死んでも後悔しないように生きよう」という方向で結論付けているのですが、なかなか実行できているかは難しいところ。


ただ、医療行為として考えた時に、エビデンスの乏しい新薬をどんどん増量して投与していったセイヤーの行為は倫理的にどうなのか、というのは少しだけ思いました。
この辺りは医療関係者にディスカッションとかさせてみたら面白いのかもしれない。…いや、とっくにその手の授業でやってそうな気もしますけど。

30年の昏睡状態から目覚めた
患者をロバート・デ・ニーロ
演じた、1990年の映画は
『○○○○の朝』?


これでしか知らなかったけど、人間讃歌を含んだ、好きなタイプの作品だったので、観てよかったです。ロビン・ウィリアムス作品、当たり率が高い気がする。