適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

パリに咲くエトワール ★★★★★★★★★☆

20世紀初頭のパリ。そこに日本からやってきたふたりの少女が暮らしていた。
一人は、夫を支えるよき妻となる将来を望まれながらも、画家を夢見るフジコ。もう一人は、武家の家系に生まれ、ナギナタの名手ながらバレエに心惹かれる千鶴。
ある日、トラブルに巻き込まれたフジコを千鶴が偶然助けるが、それは幼い日に横浜で出会ったことがあるふたりの、運命的な再会だった。
千鶴の夢を知ったフジコは、同じアパルトマンに住む青年ルスランの母オルガが、ロシア出身の元バレリーナであることを知り、レッスンを依頼する。
東洋人であることで様々な壁にぶつかりながらも、ふたりは夢に向けて歩き出すが、ある日フジコの保護者である叔父さんが、失踪してしまう。
フジコと千鶴、ふたりはそれぞれの夢を掴むことができるのだろうか ――


谷口悟朗監督の新作らしいので観に行くことに。初週を逃しただけで上映回数3回になってたので、夜に観て終電で帰ってきました。観客は5人くらい。
以前セゾンから送られてきたクレジットカードの優待で映画料金は3割引なのですが、これ都会に住んでたらもっと有効活用できたんだろうな。最近高いしな。


2人の少女が様々な困難を乗り越えながら、最後には千載一遇のチャンスを掴んでオペラ座でバレエ公演を果たす。奇を衒うことのないまっすぐなお話でした。
終盤のシーンとエンドロールを観るまでは、フジコと千鶴、成功と挫折の対比…みたいな、割と残酷なストーリーだな、と思っていたので、最後にフジコが報われてよかった。
ただ、フジコが描いていたエンドロールの絵を見るに(『アミアン』とか)、あの後の展開も想像できてしまう。余韻の残る良い終わり方だったと思います。
特徴的な名前だと思ったら、藤田嗣治がモデルだったとか。クイズで名前しか知らなかったな。モデルの生い立ちを調べたら、明らかにモチーフになってましたね。


そういえば、自分のような「谷口悟朗監督作品ならまあ観に行くか」みたいな層に対して、監督がインタビューで物申していました。
eigachannel.jp

―――先ほどのメカデザインの話にも通じますが(※インタビュー【前編】にて)、谷口監督が過去に制作された作品を観ているからこそ、本作に期待する部分もあるのではないかと感じました。


「私はそういった過去の実績に期待する人のかなりの部分は、実は邪魔だと思っています。その人が期待するのは私の過去作から得られた何らかの快楽であり、言ってしまえば、私をその中に閉じ込めようと思ってる人なんですよ。もちろん私の作品のファンになってくれるのはありがたいですが、作品は過去。私の将来は私だけの物です」


―――それでも谷口監督ならば、期待を裏切らない作品を届けてくれると信じているファンの人も多いのではないでしょうか?


「広いレンジで応援してくれる人には感謝しています。ただ、特定作品や特定の快楽のみを私に求める人、それもファンだと言えますが、それでもそういうファンの期待は“裏切る”ためにあると思ってます。常にこの作品ならではの面白さをお届けしたいというのが、私の基本的なスタンスだと思っていただきたいです」


未だに『ガン×ソード』とか『コードギアス』みたいな作品の幻影を追い求めてるジジイオタク、今を生きろよ、と。仰るとおりとしか言いようがない。
それこそ、最近はスケートのアニメとかあったしな…と思ったらあれ5年前らしい。嘘だよフェルン。『スケートリーディング☆スターズ』は3年前だよ。
実際、「この作品にしかない面白さ」がありました。「失敗したって思い出に変わる」モランさんの言葉にこの作品のエッセンスが詰まっていたと思います。挑戦することの大切さ。