適当な日常を綴る’

万年五月病患者が惰性で書き続けるブログ

グッド・イブニング・スクール

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『生まれてから20年頑張れば、その後の80年順風満帆に過ごせる』

父からの厳格な教えを受けて育った若林(横田龍儀)は、父の教えの通り二十歳まで必死に生きた。
そして父と同じ職である教師を目指し、名門進学校の教師となった。
そこで出会った同僚の真田(黒沢ともよ)に淡い恋心を抱き、まさに順風満帆の第一歩を踏み出したのだが、ひとつだけ問題点が。


「生徒が全員、年上だったのです。」


赴任したのは有名進学校の中にある、定時制夜間クラス。
通っているのは若林よりも年上で、一癖も二癖もある生徒たち。
若林はそんな生徒たちに翻弄されるのだが、父に顔向け出来るよう教師の威厳を持って何とか生徒たちと対峙しようと試みる。
努力が実って生徒の信頼を獲得した若林は、クラス評価を上げることに成功する。
クラスがまとまり、若林も教師としての矜恃を持てたかに思えたその時、ふと電話がなった。その電話で若林が伝えられた事とは―――。


オンライン配信とかライブビューイングは定期的に観ていたのですが、現地まで行くのは3ヶ月ぶり。今回もふらっと片道1000kmほど日帰りで移動してきました。
最初は朝1の飛行機で行ってどこかで昼食でも…と思っていたのですが、間引き運行で朝1の便がなくなり、振替先だと到着がかなりギリギリの見込み。
チケットを取った当初はちょっとがっかりでしたけど、今の東京で飲食もリスクだし逆に良かったかも、と前向きに捉え、空港で買ったゼリー飲料を昼食代わりにしました。
ストレートプレイは今年も1つ観ましたが、ミュージカルの観劇は1年ぶりくらいかな。3列目(最前列は空席だったので実質2列目)の端でしたが、周りは全員女性だった。よくあること。


新任教師が定時制クラスで年上の生徒たちに翻弄されながら信頼関係を築いていく、という分かりやすい流れで、ストーリーに乗っていきやすかったのがまず良かったですね。
加えて、セリフ中に際限なく出てくる言葉遊びが結構ツボで、マスク外して思いっきり笑いたくなって困った。ナウシカ梅沢富美男、海物語辺りは本当に笑いました。


若林のコンプレックスであった、狭いコミュニティでは優秀だったけど、どこかのタイミングで自分が特別ではないと気付く、という体験。多分割とあるあるなのではないかと思っていて。
自分も10歳の時は4年3組で一番テストの成績良かったけど、そこから…という昔話はどうでもいいので置いといて。その悩みの小ささを指摘してくれる源さんは良いキャラクターだった。
エリートの親の愛情を受けて育ち、進学校の特進コースを担当する同僚の真田に、「あなたは僕にないものを全部持ってるじゃないですか!」と悲痛に叫ぶシーンは壮絶でしたね。


結局、どんな人生を送っている人にも、その人なりの悩みや考えがあって、それは所謂エリートコースを歩んでいる人であろうが、そうであろうが変わらない。
観劇しながら、中学生の頃、森鴎外の『高瀬舟』を読んだ時、罪人にも罪人なりの考えがあるし、尺度が違うだけで本質的に人間の悩みは似ているのだ、という気付きを得たのを思い出しました。
そして、自分の人生は自分が楽しんで生きていかなければならない。主題はストレートな応援歌だったけど、自分の人生哲学にも合致する、とても気持ちの良い公演でした。
主演の横田さんの若々しい演技がすごく微笑ましいというか、あの人が中心にいるからこそのあの雰囲気だったのではないかな、とか。個人的にはコング桑田さん演じる山田が好きだったかな。
そういえば、岡島は最初ただの厨二病キャラかと思ってたけど、途中から「…え?」ってなりました。あれって結局、タイムリープしているって解釈で良いんだろうか。


ミュージカルというだけあって、出演者の皆さんは歌が上手かったですね。歌詞はパチンコに行きたい、とかそんなレベルのことなのに、声の説得力がすごすぎて聴き惚れてしまった。
声といえば、コング桑田さんの声はなんで聞き覚えがあるんだろう…と思って調べたら、15年くらい前のアニメ『SAMURAI 7』のキクチヨ役だったんですね。道理で…。
観た当時はキクチヨが死ぬところでボロ泣きしたし、今でもアニメキャラの死亡シーンではトップクラスに好きで…また話が逸れた。『七人の侍』を知らずにあれを観ていたのも今なら笑える。


…さて、例によって当初の目的は黒沢さんだったのでその話をすると、最近観た舞台ではアバズレ役があまりにも多かったので、正統派ヒロインはちょっと新鮮でした。
歌も上手かったし、やっぱり舞台上がりなんだなあ…と再認識。来年の舞台でも教育実習生?を演じるらしいし、なんか不思議な縁があるのかもしれないですね。
前半の清楚な服がとても似合っていて良い…とか思ってたら、後半のパジャマだけでもヤバかったのに、若林の夢の中での菜々の衣装の際どさに思わず声豚と化すところでした。危ない危ない。


年の瀬、2020年の現地イベント納めだったわけですが、とても心温まる、可愛いお話を観ることができてとても満足でした。行った甲斐があった。
次の現地は来月かな?そろそろイベントも解禁し始めるか、というところに季節の流行でなかなか厳しい情勢ですが、演者の皆さんに感謝しつつ、また足を運びたいと思います。