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はるか、ノスタルジィ ★★★★★★★★☆☆

はるか、ノスタルジィ デラックス版 [DVD]

はるか、ノスタルジィ デラックス版 [DVD]

  • 発売日: 2001/05/25
  • メディア: DVD

大林宣彦監督が北海道・小樽を舞台に小説家と少女の、タイトル通りノスタルジックなタッチで描いた恋愛ファンタジー
綾瀬慎介(勝野洋)は小樽を舞台とした少女小説で人気の作家。彼は少年時代を過ごした小樽での痛ましい記憶を胸の奥深く閉じこめていた。
しかし慎介の小説の挿絵を描いていた紀宮ベンガル)の突然の死をきっかけに、再び小樽を訪ねる。
そこで慎介は記憶の中の少女・遙子(石田ひかり)にそっくりな、はるか(石田ひかり)という名の少女と出会う。
はるかは慎介に不思議な感情を起こさせ、忘却したはずの記憶を呼び覚ました。そんな時、綾瀬の前に佐藤弘という少年が現れる。佐藤弘とは綾瀬の本名であった…。


大林作品も一区切り…というか、近所のレンタルショップに置いてるのはこれで多分全部だった。
少年の頃の記憶に出てくる少女にそっくりな少女と小樽で出会い、そこから現実と幻想が入り乱れていく…という、ファンタジックな作り。
これが3時間近くも続くので、何が何やら分からなくなってくる。音楽も久石譲なのでめっちゃジブリっぽいし、なんとも形容しがたい不思議な作品でした。


おそらく、大林監督は少女というものへの憧れみたいなものがあって、それをフィルムに収めているのかな、と何作か観てきて思ったのですが、今作はその極致でしたね。
さびしんぼう』の続編的位置づけらしいけど、分からなくもない。大林監督作品自体、全体的に「ノスタルジィ」な作風ですしね。


…ただ、やっぱり壮年のおっさんが少女を追い求めるというストーリーライン自体には結構な気持ち悪さというか、不気味さのようなものがあり。
ラストで身体を重ねるシーンとかマジかよ…って思ったし、勝野洋演じる綾瀬自身にいやらしさがないといっても、やっぱり一歩引いてしまいますね。
まあ、あのウェリントンタイプのメガネを見ると、学生時代いつも怒られていて戦々恐々としていた数学教師を思い出すからなのかもしれませんが。自分の心のトラウマ。