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劇場版ポケットモンスター ココ ★★★★★★★★★☆

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分かってはいたけど今週は忙しくて辛い。前の事業所ではこれくらい当たり前だったのに、この1年が楽すぎて感覚が麻痺してますね。まあ定時で帰れるに越したことはないけれども。
それより、明日は最高気温が0℃とかいう予報を見てげんなりしてます。今日も昼間に吹雪いてたし、寒いのは本当に辛い。


…さて、今日はそれでも早めに帰れたので、ここを放置しすぎるのもなあと思い、年末に観た映画の感想を。ということで『ココ』です。
劇場で予告を見た時は「…え、これポケモン版のジャングル・ブック?」とか「観たらダメージ受けそうだな…」とか思ってました。ジャングル・ブック、幼き僕の性癖を歪め…この話やめとこ。

人里から遠く離れたジャングルの奥地。
厳しい掟で守られたポケモンたちの楽園、
オコヤの森があった。


そこで仲間たちと暮らしていた頑固者のザルードは、
ある日、川辺で人間の赤ん坊を見つける。


「ニンゲン、これが……」


見捨てられないザルードは、
森の掟に反して、赤ん坊をココと名付け、
群れを離れてふたりで暮らすことを決意する。


ポケモンが人間を育てる生活が始まって10年。
ココはオコヤの森にやってきたサトシとピカチュウに出会う。
初めてできた「ニンゲンの友達」。
自分のことをポケモンだと信じて疑わなかったココの胸の中に、
少しずつ疑問が芽生え始める。


「父ちゃん、オレはニンゲンなの?」
自分はポケモンなのか? それとも人間なのか?
悩むココだったが、ある日、
招かれざる人間の足音が森に近づいてきて、
平穏な日々が一変する――。


まず最初に書いておくと、とてもよく出来た作品だったと思います。20年以上続く『劇場版ポケットモンスター』シリーズの中でも指折りの名作と言って過言ではないかと。
ザルードを始めとして、ジャングルで暮らすポケモンたちの描写がとても良かった。『みんなの物語』でもそうでしたが、矢嶋監督はポケモンを本当に生きているかのように描いてくれる。
冒頭から、ザルードたちの『掟の歌』でポケモンの世界にスッ、と引き込まれるのも良い演出だった。森の権力者であるザルードと他のポケモンたちの関係性もすぐ分かりましたし。


そして、このザルードたちの他のポケモンに対する傲慢な態度が、泉を狙う悪い人間たちと鏡写しになる、という展開も上手いですよね。
ココの出生の秘密が作中で明かされていきますが、父ちゃんザルードの出生の秘密もまた、詳しく語られることはないけれど示唆されている。
これがあるからこそ、ココがザルードを救うクライマックスシーンも、単なる「奇跡」ではなく理由付けがされているわけで。手堅い構成だなあ、と思うことしきり。


…ただ、観る前に懸念していた「独身男性が観るとダメージを受けそう」という予想は、残念ながら当たってしまってしんどかった、というのが正直なところで。
ココと父ちゃんザルードとのエピソードは、ターゲット層であろう親子連れに刺さる、とてもハートウォーミングで感動的なものでしたが、だからこそ眩しすぎると感じてしまった。
「家族の絆」というテーマについては、障害らしきものが出てこないんですよね。両親と暮らしていても不満、とか、一人でも元気に暮らしている、みたいな対比となるものもいない。
純粋に親子の絆の尊さを描いているということなんでしょうけど、特に「親になるということは、自分より大切なものができるってことなんだ」という帰結は独身趣味人には辛かった。


主題歌の『ふしぎなふしぎな生きもの』、自分みたいな初代世代からするとピンとくるフレーズですよね。そう、『ポケモン言えるかな?』に登場するナレーション。
なので、自分はこの「ふしぎなふしぎな生きもの」というのはポケモンのことだと思っていたし、映画が始まるまで歌も聴いていなかったのですが…。

ただひとつ言えるのは キミのために生きるようになった
とてもとても嬉しい とてもとても暖かい
生まれてきてくれて 本当にありがとう


映画を観て、流れるこの主題歌を聴いて、「ああ、「ふしぎなふしぎな生きもの」って、自分の子供のことだったんだ…」と気づいてしまい、なんとも言えない気持ちになりました。
これを観た数時間後に姪と初対面を果たし、図らずも歌詞の意味を実感してしまったのもキツいポイント。これで心から泣ける人は、世間一般で言うところの順風満帆な人生なんだろうなあ。


…というわけで、面白かったし完成度も高いと思うけど、直視できなかったのでこの評価。加齢とか自分の生き方とか、色々なことを実感させられてしまった。
加齢といえば、出てくるポケモンの名前が1匹でも咄嗟に出てこないと衰えを感じますね。今回はバイウールーを観て、「こいつなんだっけ、ゴーゴート?」とか思ってしまった…。元県代表。