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マイ・ベスト・アニメ10選⑥ ~ヒューマンドラマ編~

他ジャンルについては以下の記事で。
kaitopoketto.hatenablog.com

―――選出ルール―――


・基本的に放送年順に並べる。
・軽く紹介文を入れる。
・順位はつけない。
・複数ジャンルに跨っている作品については適当に分類する。


今回はヒューマンドラマ系(曖昧)。日常系よりもストーリーが展開し、学園系よりも恋愛がメインではないような作品を想定しています。主に部活モノ。
おそらく、ここ数年…というか、社会人になってからは、一番好きなジャンルですね。今でも無意識に青春の影を追い求めてしまうのだろうか。心は思春期、みたいな。

⑥-1.『カレイドスター』 (制作:GONZO 監督:佐藤順一 2003年放送・全51話)


放送順に並べるといきなり感動的名作の代名詞みたいなアニメを挙げることになってしまう。…いや、別にいいんですけど。
アメリカのサーカス集団「カレイドステージ」に憧れ、単身渡米した主人公・苗木野そらが、入団し、挫折を繰り返しながらトップスターになる様子を描いた作品。
やってやれない事はない!やらずに出来たら超ラッキー!やるとなったらやるっきゃ、ない!ない!ない~!」をモットーに、様々な困難に立ち向かうスポ根もの。
2クール目までは、他の団員やトップスターのレイラに少しずつ認められながら「幻の大技」を成功させる、という、そこそこ口当たりの良い展開なのですが
その後、メイが加入した3クール目辺りのそらの挫折は、当時観ていて結構キツいものがありました。だからこそ、それを乗り越えた4クール目のラストが感動的なんですけどね。

⑥-2.『ARIA』 (制作:ハルフィルムメーカー 監督:佐藤順一 2005~2008年放送・全52話)

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いきなりサトジュン監督作品が被ってしまった。舞台はテラフォーミングされて水の惑星「アクア」となった24世紀の火星にある入植地、ネオ・ヴェネツィア
そこでゴンドラを漕ぎながら観光案内をする「水先案内人(ウンディーネ)」の少女たちから見た情景を描いた作品…って、有名すぎて今更書く意味があるのか。
今作で好きなのは、何と言ってもネオ・ヴェネツィアの空気感。他の作品では味わえない、穏やかな時間が流れているんですよね。藍華の声も良いし。
それだけに留まらず、3期では先輩の結婚と引退を通して、今までの日常が永遠に続くものではないことと、逆説的に日々過ぎてゆく今の愛おしさを描いているところが好きです。

⑥-3.『N・H・Kにようこそ!』 (制作:GONZO 監督:山本裕介 2006年放送・全24話)


大学を中退し、4年ひきこもっている主人公・佐藤。ある日、宗教勧誘に来た女性に同行していた謎の美少女・中原岬が、佐藤をひきこもりから脱却させようと「プロジェクト」を開始する…。
佐藤、虚言癖があり、何をしようとしても途中で投げ出し、エロゲーにハマり、ネトゲにハマり、成り行きで自殺オフに参加して死にかけ、マルチ商法にひっかかり…と清々しいまでのクズ人間。
…でも、そんな佐藤に心のどこかで共感してしまう自分がいる。そういう意味では、人生において鬱屈とした気持ちを抱えたことのないタイプの人には楽しめない類の作品かもしれないですね。
終盤、佐藤がひきこもりから脱却した理由が、絵に書いたようなハッピーエンドではなく、リアリティのあるものだったのも好きなところです。勿論ヒロインが可愛いのも重要なポイントですが。
あと、3つある主題歌が、それぞれ毛色が違いながら、全てとても秀逸なんですよね。特に『もどかしい世界の上で』は正にマスターピース。『踊る赤ちゃん人間』も好きですけど。



『N・H・Kにようこそ!』ED2 牧野由依『もどかしい世界の上で』


⑥-4.『おおきく振りかぶって』 (制作:A-1 Pictures 監督:水島努 2007~2010年放送・全39話)


野球を観るのは割と好きなので、野球アニメは大体どれも楽しく観ているのですが、「一番好きな野球アニメは?」と考えたら、やはり「おお振り」になるかな、と思います。
主人公・三橋廉は弱気でウジウジした性格の投手。ストレートと4種の変化球を、正確にストライクゾーンに投げ分けることができる、という精密機械のようなコントロールを持っている。
バッテリーを組む阿部隆也は頭脳派の捕手で、配球や相手の得意・苦手な球種を暗記する驚異的な記憶力を持ち、2人のバッテリーと、同級生たち1年生からなる10人チームで甲子園を目指す。
この作品の何が面白いかって、シンプルに「試合の描写が占めるウエイトが大きい」ところですね。地方予選2回戦、昨年の予選優勝校・桐青高校との試合に、実に後半1クールまるまる費やす
まるで本当に高校野球の試合を観ているかのように作品世界にハマってしまうんですよね。野球は観るけどこの作品は観たことがない、という人には是非おすすめしたいアニメ。

⑥-5.『アイカツ!』 (制作:サンライズ 監督:木村隆一 2012年放送・全178話)


新人アイドル・星宮いちごがトップアイドルになるまでを描いた作品。今作の魅力はそれこそ折に触れて書いているのですが、一言で言えば「アイカツ!は人生訓」。
トップアイドルの神崎美月から星宮いちごへ、そして大空あかりへと繋がる、途切れることのないバトン。魅力を書き始めるとキリがないですが、結局、その永遠性が一番好きなところかも。
楽曲も素晴らしく、ストーリーが進行するにつれて歌詞に込められたメッセージが実感できるようになるのもとても楽しい。話数の多さに最初は驚きますが、気付いたら全話観終わっています
原理主義者ではないですが、特にファーストシーズン(第50話まで)は出色の出来なので、「女児向けアニメはちょっと…」と敬遠せず、是非観てもらいたい作品ですね。

⑥-6.『プリティーリズム・レインボーライブ』 (制作:タツノコプロ 監督:菱田正和 2013年放送・全51話)


いつも戯れに視聴した作品に点数をつけているのですが、満点はあまりつけないようにしていて。その中で「10点満点じゃ足りないだろ…」と思うほど面白かったアニメ。
ダンス・ファッション・歌を融合したフィギュアスケートのような競技「プリズムショー」を題材に、プリズムスターを目指す6人の少女たちを描いた群像劇。
大きく分けて主人公サイドの3人と、ライバルサイドの3人に分かれるのですが、4クールに渡って展開される人間ドラマがとにかくアツく、そして重い。
親世代の確執、幼少時代の因縁、過度な期待と束縛、甘酸っぱい恋愛等々…。それぞれが様々な困難を乗り越え、競技に挑む様子はとても感動的でした。
前シリーズの「終盤のカタルシスが素晴らしい」という魅力をそのままに、6人それぞれの掘り下げやシャッフルユニットなど、最後まで飽きさせない構成が本当に見事。
重すぎて土曜の朝に子供が観るには辛い内容であること以外に欠点が思いつかない。放送中の任意のアニメを4本切って、まずこの作品を観るべき。

⑥-7.『ピンポン THE ANIMATION』 (制作:タツノコプロ 監督:湯浅政明 2014年放送・全11話)


読んで字のごとく、漫画原作の卓球アニメ。「努力だけでは才能には勝てない」という、重いながらもありがちなテーマではあるのですが、今作はそこに留まらない。
才能がある選手同士が戦った場合にはどうなるのか、という問題で、「愛」がキーワードになるのがとても好みでした。
湯浅監督による独特の作風とも上手くマッチしていたように思います。話数こそ短いですが、ノイタミナで一番好きな作品ですね。

⑥-8.『響け!ユーフォニアム』 (制作:京都アニメーション 監督:石原立也 2015~2016年放送・全26話)


惰性で楽器を続けていた高校1年生・黄前久美子が、全国を目指して吹奏楽に取り組むうちに、音楽の楽しさに目覚めていく作品。
吹奏楽部経験者なら誰しも味わったことがあるような悩み、ぶつかったことがあるような壁。それらの描写がとてもリアルで、とても考えさせられるアニメでした。
特に努力に関する描写が素晴らしい。ただ単に練習すれば上手くなるわけではないし、才能の違いもある。審査員の好みもある。先輩との上下関係もある。
その辺りをごまかさずに描いているところも好きですし、演奏シーンの描写が神がかっているところも好きですね。流石京都アニメーションといったところ。
あと、自分は基本的に「声優は作品に従属するもの」という価値観ですが、それでも、久美子は黒沢ともよさんが演じたからこそ、これだけ魅力的なキャラクターになったと考えています。

⑥-9.『風が強く吹いている』 (制作:Production I.G. 監督:野村和也 2018年放送・全23話)


故障から復活した元エリート・清瀬灰二が、暴力事件で退部した天才ランナー・蔵原走と、同じ寮に住んでいる計10人で箱根駅伝を目指す、三浦しをんの小説を原作とした作品。
10人は10人とも個性的で、必要以上には馴れ合わない。最初は箱根とか冗談だろ、と思っていた面々も、衝突を繰り返しながら次第に団結し、本気で箱根を目指すようになる。
年齢も素質も境遇も違う10人が、1つの目標に向かって頑張る、というのがただただ面白い。仲間の団結が強まった後半で箱根駅伝がはじまり、じっくり10区全てを描く点も良い。
特に「箱根駅伝に出場することがゴールだったのではないのか?これ以上努力する意味があるのか?」という中盤で生じた疑問に対するハイジの答えが好きですね。

⑥-10.『この音とまれ!』 (制作:プラチナビジョン 監督:水野竜馬 2019年放送・全26話)

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廃部寸前の箏曲部。不良少年の愛、天才少女のさとわ。愛の友人や、部の関係を壊してやろうと近づいてきた妃呂も巻き込み、皆で全国大会を目指す。
主要キャラクターにそれぞれ重いバックボーンがあって、それが音楽や仲間と出会うことで救われていく。とても綺麗な作品だと思います。
多くの人には余り馴染みのないであろう「箏」という題材ですが、作中で演奏されている音楽がどれもとても良い曲で、つい聴き入ってしまう。
言わば、作劇上でも、また視聴者としても、「音楽の力」を感じられるような作品というか。特に最後、「天泣」の演奏シーンは白眉。


というわけで10作品。『N・H・K』だけちょっとクセが強いけど、どれもそこそこ堅い作品ではなかろうか。
他ジャンルに比べて最近の作品を選びましたが、このジャンルには未だに進化を続けていると思うので、近年も傑作が多いんですよね。これからも名作が色々出てくることに期待したい。