適当な日常を綴る’

万年五月病患者が惰性で書き続けるブログ

信長の忍び ★★★★★★★★★☆


少し前、思い入れのある漫画についての記事で、4コマ漫画の中で1つ選ぶなら『サナギさん』だけど、学生時代に作家買いしていた手堅い構成の人は他にもいる、と書きました。
その手堅い4コマ漫画家を代表する、と自分が考えている1人が、重野なおき先生。先生の4コマはとても安定感があるんですよね。
所謂きらら系の4コマによくあるような、オチの弱いものではなく、4コマ目できっちりオチる正統派4コマ。


先生の代表作は、と考えた時、一昔前なら『Good Morning ティーチャー』もしくは『うちの大家族』だったと思うのですが、現在はこの『信長の忍び』かなあ、と思います。気づけば16巻。
主人公である忍者の少女・千鳥が、織田信長に仕え、愉快な仲間と共に天下統一を目指す。とても単純明快なストーリー。
織田信長は大の甘党、羽柴秀吉はお調子者、前田利家はバカップル、浅井長政は筋肉バカ…等々、分かりやすいキャラ付けがされていて、しっかりオチるのは他作品と同じ。


この作品の魅力は、1コマ1コマはちゃんとオチがありながら、全体としてはちゃんと戦国時代のストーリーが繋がっていること。
それだと普通だろ、という話ですが、それだけではなく、ちゃんと史実に基づいて展開していくし、有名な逸話を元にしたネタも豊富に登場するんですよね。
重野なおき先生は社会科の教員免許を持っており、その知識が活かされた作品になっている。こう書くと俗っぽいけど、楽しく読みながら戦国時代が学べる漫画だと思います。


アニメ化された当時、観たかったのですが、本放送が映らず、かといって4分枠のアニメをニコニコ動画で都度追うのも面倒で、途中で中断したきりになっていました。
最近になって色々な動画サイトで全話配信されたので、一気に観てみたところ、加速度的に面白くなり、78話分一気に観てしまいました。…と言っても、全部足しても5時間ちょっとですが。


1つ1つの4コマがきっちりオチるが故に、アニメ化したらぶつ切りになるのでは?という懸念は「太鼓の音で場面転換する」という演出でカバーされていました。ドンドンカカカッ。
この手法、同じく大地監督作品である2001年版の『フルーツバスケット』でも似たような演出がされていたのが思い出深い。短編なのと相まって、作品全体のテンポが良くなっていると思います。


アニメ版で好きなのは、ナレーションや文章で所々説明が入るところですね。知識がない視聴者でも抵抗なく、戦国時代の情勢が理解しやすい。
信長モノのアニメって、それこそ女体化してたり異世界からやって来たり逆に異世界行ったり、果てはロボットを操縦したり犬になったりと、およそ史実とは遠い作品が多いイメージでした。
その点、『信長の忍び』は主人公こそ架空ですが、史実に沿った正統派戦国アニメ。ギャグテイストでしかも短編なので、日本史に明るくなくても楽しめて、知識も得られる稀有な作品。
78話かけてストーリーが進んでいく様がとても面白く、知識として知っているはずなのに、共に天下統一を目指した仲間が合戦で命を落とすシーンでは思わず泣けてしまいました。
3期は志賀の陣までだったので、いずれ4期も放送されるのかな。今から楽しみです。原作のストックはまだまだ余裕というか、多分半分もいってないくらいのはずですし。