適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

乱 ★★★★★★★★☆☆

5連休じゃあんまりゴールデンウィーク感がないですね。どこにも行くところがないので、買い物した以外はずっと家でダラダラしてました。
生活リズムが狂って、毎日のように昼寝したり明け方まで起きてたり…。やっぱり、ある程度予定がないと有意義には過ごせないな、と実感。


乱

  • 発売日: 2015/03/27
  • メディア: Prime Video


…さて、『乱』を観ました。『リア王』を翻案したもので、黒澤監督のライフワーク、集大成、とか言われているようなのですが、観ていると確かにその通りだな、と。
まず、楓役で怪演を見せる原田美枝子。『蜘蛛巣城』の山田五十鈴を彷彿とさせますね。あそこまでの恐ろしさはなかったけど、近いものは感じました。
そして、ピーター演じる狂阿弥。これは『虎の尾を踏む男達』の強力のリメイクなのかな。落城シーンも『蜘蛛巣城』に似ているし、その他も色々と過去の時代劇作品を思い出す演出が多かった。


他に良かったのは、野村萬斎演じる鶴丸かな。もう少し出番が多ければ…。仏が描かれた絵を落としてしまい、見えない目で石垣から景色を観ようとするラストシーンが印象的。
あと、後継者を巡って争う3人の息子とその家臣が、着物の色で分かれていて視覚的にわかりやすかったのも良かった。


…で、確かにテーマ性もあるし、今までの作品のリメイク的側面もあって、節目となる作品なのは間違いないのですが、面白いか、と言われると、またちょっと別になるのかな、と。
どうしても、時代劇だと白黒時代の名作があるので、そっちと比べてしまうんですよね。まずは娯楽作として一級で、その上で内容を伴ってほしい、という自分の好みの範疇になってきますけど。
ただ、今作はそれまでの黒澤作品を観ていれば色々と既視感があって楽しめるので、ファン向けの映画ではあるかもしれません。あとは平成の3作だけなので、また時間作って観ていこうかな。