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長屋紳士録 ★★★★★★★★☆☆

感想を残す、が今年の目標だったのに、観たり聴いたりしたのに感想を書いてないものが20近くある気がする…。マイペースに記録に残していかないと。
…まあ、ゲームを2作も買ったせいでブログに対する興味が薄れてしまっただけなんですけどね。平日に毎日書くのも、結構時間食うからなあ…。


長屋紳士録

長屋紳士録

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video


飾り職人の為吉が酒を飲んでいると、同居人である大道占師の田与が、7、8歳の男の子・幸平を連れて来た。
その子は親にはぐれて田与についてきたのだという。田与は向かいに住む荒物屋のおたねに強引に預けてしまう。
翌日、おたねは、幸平の引き取り手を探すが、誰も受け入れてくれない。
人々はグチをこぼしながらも、幸平を親しくなり、貧乏長屋になくてはならない存在となっていく。しかし、ある日父親が姿を現した。


『一人息子』が良かったので、戦後の所謂『父と娘もの』以外の古いものも観てみようということで。小津監督の戦後第一作目らしい。
戦争で家族を亡くしたおたねが、最初は疎ましく思い、捨ててこようとまでしながら、次第に幸平への愛情が芽生えていく様子が微笑ましい。
もうちょっと時代が下った作品群のあのフォーマットではないにしろ、この時、既に家族の有り様と変化を描くというスタイルは確立されていたんだな、と。
そういえばタイトルはなぜ『長屋紳士録』なんだろう。どちらかというと長屋淑女録なのでは。時代的に男をタイトルにしないといけない、とかだったのかな?


幸平は孤児かと思いきや実はそうではなく、逆にラストに孤児を写しているところにメッセージ性を感じました。まだ戦後2年なんだもんなあ。
あと、笠智衆が歌って、皆が食器をカチカチ鳴らして伴奏するシーンが好きですね。結構長尺だったから印象的。よく通る良い声をしている。