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父ありき ★★★★★★★★★☆

父ありき

父ありき

  • メディア: Prime Video


妻に先立たれ、男手一つで息子を育ててきた金沢の教師・堀川は、修学旅行の事故の責任をとり辞表を出す。息子を連れて故郷の長野県に戻った堀川は村役場で働くことになる。
息子の良平は中学に進み寄宿舎に入り、堀川は単身上京してもう一働きして良平を進学させてやりたいと話す。


今日も小津。公開は1942年。次の『長屋紳士録』が1947年。調べてみたらこのあとシンガポールに行って、戻ってきたのが1946年らしい。
国策映画にも取りかかってはいたみたいだけど、完成はしなかったんだなあ。小津監督の作風と戦争の相性があまりにも悪そうだけど…。


今観るといささか時代錯誤ではありますが、父と子の間の黙示的な信頼関係がとても心地良かったですね。一緒にお酒を飲んだり、煙草を吸うシーンが好き。
息子のことを思うからこそ、本当は一緒に暮らしたくても、秋田での仕事を辞めて東京に出てくるのは駄目だ、と言う笠智衆
そういえば、これが小津作品での笠智衆の初主演作だったんだろうか。もうこの時点で馴染んでる感すらあるけど。そこまで年が変わらないはずの佐野周二とちゃんと親子に見えるし。
ストーリーは良かったんですが、流石に古い映画すぎて保存状態が悪く、ノイズがひどかったのが残念でしたね。聞き取れない箇所とか普通にあったし。まあ仕方ないですけどね。