適当な日常を綴る’

万年五月病患者が惰性で書き続けるブログ

声優バイブル2020と、アイドル声優と

当てはまるカテゴリがなくて困る。イベントではないし、アニメの感想でもなく、書籍だから「読書」にしたけど、これ読書ちゃうやろ、と。まあどうでもいいんですけど。
最近よく見かける言い回しで分類するとすれば「オタクのお気持ち表明」ですかね。…まあ、そんなカテゴリ使う機会もなさそうだし作りませんけどね。


…さて、先日視聴してここに感想も書いたアニメ『Re:ステージ!』にも出演されていた花守ゆみりさんが、膝の故障から、役を降板する、というお知らせがありました。
そのニュースを目にした時は「そんなんで声優交代とかあるのか、膝に矢を受けたのかな?(ネタが古い)」みたいなクソオタクの反応だけして流してしまったのですが。

しばらくして、その花守さんの発言で一部のオタクが荒れている、みたいな話が流れてきたんですよね。「アイドル声優的な活動は嫌々やっていたのか?」とか
「しゅがは*1も気乗りしないまま演じてたのかな」とか。気になって調べてみると、どうも何かの雑誌のインタビューが発端らしい。

ただ、話題にしている人の大半はインタビューを読んだわけではなく、どうもまとめサイトをソースに云々しているように自分には見えました。
こういうのは原典に当たらないと意味がないだろう、と思ったので、早速買ってきた、というわけです。…前置きが長い。



よっぴーこと吉田尚記アナウンサーが、声優と1対1でインタビューした記事が12人分掲載されている、というもの。
平均して1人につき8000語ほどとかなりの長尺で、声優を目指したきっかけから、今の仕事で大切にしていることなど、とても興味深い内容でした。
これ、毎年刊行されていて、今年で6年目なんですね。あんまり演者周りの情報を積極的に拾ってこなかったから知らなかった。1冊くらい以前のも買ってみようかな?


手始めに花守ゆみりさんの記事を読んでみたのですが、これ別にファン否定でもなんでもないやん、と。声優としての矜持がわかる、とても良いインタビューでした。
花守さんの発言についてはこのまとめがとてもわかりやすいので貼っとこう。ぐだぐだ書くより多分読んでもらったほうがわかりやすい。


www.koenote.info


花守さんがイベントや顔出しの活動が苦手なのは、自分のせいでキャラクター像が壊れるのが嫌だからだ、と。自分ではなくて、キャラを見てほしいのだと。
あくまで、声優はアニメ作品を構成する一部分であり、必要以上に目立ちたくはない、という考え方。これを読んでいて、黒沢ともよさんのブログ記事を思い出しました。


ameblo.jp

わたしは今まで、
自分がアニメに関わる時は“あくまで声優”であり、
監督がいらして、アニメーターさんがいらして、
わたしが“声”をあてて、ようやくその子になるものだということを
強く考えながら芝居をしてきました。


アニメに出てくる人々は
映画やドラマや舞台の登場人物よりも、
よりたくさんの人たちの元を通過してくることによって
アイデンティティーを獲得して魂を持つことが多いように思います。


それは変わらないし、
それを意識し続けることを大切なことだと思う気持ちは変わりません。


     (中略)


「あくまで声を担当する」…そればかりを思うのではなく、
もっともっと役と一緒に生きていていいのだと。
そう、思いました。


これを高校生の時に書ける黒沢さんはすごい、と思うんですけど、まあそれは置いといて。
所謂「アイドル声優」的な活動をされている声優さんも、当然ながらキャラクターを大事にしているし、演者の方に注目が向けられることには懐疑的なのでは、という。
最初に引用した記事で、雨宮天さんが「アイドル声優と思われたくない」と発言した、という話題にも触れられていますが、人それぞれに理想と現実のギャップがある。


そして、それは所謂ドル売りの露出度とは関係がないんですよね。例えば、アイドル声優の代名詞とも言える、抜群のルックスを持つ芹澤優さんのインタビュー記事。


www.asahi.com

声優ユニットは“声優として活動する人が集まったユニット”というイメージですが、i☆Risは“ユニットのために集められた6人”。つまりアイドルなんです。
もちろん今は、メンバー全員が声優もやっているアイドルというところに強みを感じますし、それがi☆Risらしさだと自信を持って言えます。
でも、最初はアニソンを歌うにしてもソロが希望だったので、ユニットということにショックを受けましたし、そもそもアイドルにはそんなに興味がありませんでした
勝手なイメージですが、声優のほうが手に職がついてずっと続けられる印象があって、声優デビューの前にアイドルデビューをするってどうなんだろうって疑問もありました」


門外漢からしたら、天性のアイドル声優に見えたセリコでも、こういう苦悩があったんだなあ、とか読んだ当時印象的だったんですよね。
何が言いたいかというと、花守さんの思いは、割と色々な若手の声優さんが抱いているであろう感情でもあるし、まして甘えやわがままではないよね、ということ。
花守さんも「他の人がやっているのを見ると感動するんですけど」って答えてますしね。
こういう職人気質の声優さんがいてもいいと思うし、本当のファンなら、これを読んだらますます付いていくだろうなあ、とも。
アイドル的な活動が良いとか悪いとかではなく、多様性があってもいい。それだけの話なんじゃないのかな。
しかしこのインタビュー、黒沢さんに刺激を受けた話とか、平野啓一郎の分人主義とか、急に自分の興味のある分野の話が出てきてかなりドキッとしましたw


ところで、インタビューで、花守さんが「常に役者として驚かせたい」と答えておられたのが面白いな、と思いました。
実際、花守さんの演じるキャラクターって、幼い女の子から少年まで、実に多種多様ですよね。「あ、この声は」ってなかなかならない。
それなりの長い間アニメオタクを続けていると、所謂ダメ絶対音感が発達してきて「このキャラってこの声優だったのか!」って驚くことは減ってきますよね。
ここ数年だと、『双星の陰陽師』の小倉唯さんは最初「これクレジット間違ってない?」と思って確認しに行ったくらいの驚きだったんですが、それくらいかなあ…。
そんな中、花守さんとかM・A・Oさんとか、そこそこ長いこと聴いているのに今でもなかなか気づかない。それだけ引き出しが広いということなんでしょうけど。


他にも、高垣さんのあの礼儀正しさのルーツとか、小倉唯さんのストイックなまでの「可愛さ」への追求とか、個人的に天才だと思ってる上田麗奈さんの演技の話とか。
ミーハー的な動機で買ったにしてはかなり楽しめたので、1500円+税の価値はあったなー、と。一覧の中に好きな声優さんがいるなら買って損はないですね。普通に全員分面白いですし。