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劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト ★★★★★★★★☆☆

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スタァライト」――それは遠い星の、ずっと昔の、遙か未来のお話。
この戯曲で舞台のキラめきを浴びた二人の少女は、運命を交換しました。
「二人でスタァに」「舞台で待ってる」


普通の楽しみ、喜びを焼き尽くして、運命を果たすために。
わずか5歳で運命を溶鉱炉に。


――危険、ですねぇ。


やがて二人は再会します。
一人は悲劇の舞台に立ち続け、もう一人は飛び入り、引き離され、飛び入り、
二人の運命を書き換えて……キラめきに満ちた新章を生みだしたのでした。


もう目を焼かれて塔から落ちた少女も、幽閉されていた少女もいません。
ならば……その新章の結末は?


スタァライト」は作者不詳の物語。
キラめきはどこから来て、どこに向かうのか。
そして、この物語の『主演』は誰か。


私は、それが観たいのです。


ねぇ――聖翔音楽学園三年生、愛城華恋さん?


観た知り合いが口々に「すごかった」と言っていたので気になっていた作品。とはいえ、アニメを当時観ただけで舞台も総集編映画もノータッチ。
「最悪完全初見でも楽しめる」という話も聞いたので、キャラくらいはなんとなく覚えてるから流石に楽しめるだろう、と思って劇場へ。最初隣のシアターに入ってて焦った(


まず一言で表現すると「なんかすごいものを観てしまった」という感じ。後半が全てレヴュー、という構成に圧倒されてしまった。贅沢すぎるだろ。
99期生2年A組の面々の卒業が描かれる、というストーリーなのですが、途中から現実と虚構と回想が交差する展開になり、何が起こってるのかわからなくなる。
ただ、「舞台」という設定が上手いですよね。極論、「舞台」の上では「何でもアリ」なわけですから。そのエクスキューズで、どんなものも表現することができてしまう。


双葉VS香子、純那VSなな、ひかりVSまひる等々、この辺はもう少し掘ってくれてもいいな、というカップリングのバチバチのレヴューが観られたのが良かったですね。
最初に1人1人が進路希望面談をするシーンが描かれていましたが、レヴューを経て、卒業後の進路が変わっているキャラがいたのもいい。こういうエンディングは好きです。
一番観ていて面白かった、というかインパクトがあったのは最初の双葉VS香子かな。ミュークルで慣れたけど、伊藤彩沙さんの関西弁がすごく綺麗。


ただ、一番のメイン?だった華恋とひかりの関係については、回想も含めてちょっと尺が長かったかなー、というのが正直なところ。
そこまで意外性のあるオチ方でもなかったし(「死んでる…」は笑ったけど)、まああの二人の決着を捻るのは違うと思うし、この落としどころがベターなのかな。


如何様にも考察できそうな深みがありつつ、エッセンスは割と分かりやすい。テレビ版は正直後半がそこまで…でしたが、この映画は楽しめました。評判に偽りなし。
このご時世、「わかりやすく面白い」作品が持て囃される中で、敢えてエンタメと分かりやすさに特化しない作風を貫いたことに敬意を表したいですね。
最後に一つだけ書いておくと、アルチンボルドまがいのキリンはめちゃくちゃ気持ち悪かったです。いくら声が良くてもアレは生理的に無理。