適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

ラーゲリより愛を込めて ★★★★★★★★★☆

年末に高級炊飯器を買った時に書いた記事で「そこまでお金かけなくてもよかったかも」的なことを書いたけど、白米が美味しくなったおかげで夜も毎日1杯食べるようになってしまった。
糖質とか考えたらどうなのかと思わないでもないけど、お高めの外食で出てくるレベルのご飯が自宅で食べられるし、正直おかずなしでもいける。食事がQOLに与える影響舐めてたな。



第二次大戦後の1945年。そこは零下40度の厳冬の世界・シベリア…。わずかな食料での過酷な労働が続く日々。
死に逝く者が続出する地獄の強制収容所ラーゲリ)に、その男・山本幡男は居た。
「生きる希望を捨ててはいけません。帰国(ダモイ)の日は必ずやって来ます。」絶望する抑留者たちに、彼は訴え続けた――


身に覚えのないスパイ容疑でラーゲリに収容された山本は、日本にいる妻・モジミや4人の子どもと一緒に過ごす日々が訪れることを信じ、耐えた。
劣悪な環境下では、誰もが心を閉ざしていた。戦争で心に傷を負い傍観者と決め込む松田。旧日本軍の階級を振りかざす軍曹の相沢。
クロという子犬をかわいがる純朴な青年・新谷。過酷な状況で変わり果ててしまった同郷の先輩・原。山本は分け隔てなく皆を励まし続けた。
そんな彼の仲間想いの行動と信念は、凍っていた抑留者たちの心を次第に溶かしていく。


終戦から8年が経ち、山本に妻からの葉書が届く。厳しい検閲をくぐり抜けたその葉書には「あなたの帰りを待っています」と。
たった一人で子どもたちを育てている妻を想い、山本は涙を流さずにはいられなかった。誰もがダモイの日が近づいていると感じていたが、その頃には、彼の体は病魔に侵されていた…。


松田は、危険を顧みず山本を病院に連れて行って欲しいと決死の覚悟でストライキを始める。その輪はラーゲリ全体に広がり、ついに山本は病院で診断を受けることになった。
しかし、そこで告げられたのは、余命3ヶ月― 山本により生きる希望を取り戻した仲間たちに反して、山本の症状は重くなるばかりだった。
それでも妻との再会を決してあきらめない山本だったが、彼を慕うラーゲリの仲間たちは、苦心の末、遺書を書くように進言する。


山本はその言葉を真摯に受け止め、震える手で家族への想いを込めた遺書を書き上げる。仲間に託されたその遺書は、帰国の時まで大切に保管されるはずだった…。
ところが、ラーゲリ内では、文字を残すことはスパイ行為とみなされ、山本の遺書は無残にも没収されてしまう。
山本の想いはこのままシベリアに閉ざされてしまうのか!?死が迫る山本の願いをかなえようと、仲間たちは驚くべき行動に出る――


5枚買った今月末までのイベント割ムビチケ、アニメ映画4作観て1枚余ってたので消費。公開からしばらく経っていたけど、『アイカツ』より客がいたという。
シベリア抑留自体は、数年前に黒沢さん目当てで観に行った舞台で題材になっていたのを思い出す。舞鶴、機会があれば行ってみたいんですけどね。


実話ベースというだけあって、あまり劇的な展開は起こらないのですが、感動的なシーンが多かったですね。露骨に泣かせにきてると感じるところもありましたがw
流石に手紙を各々が届けるシーンは目頭が熱くなったし、劇場でもしゃくりあげる声があちこちでしていました。出演してる俳優陣の演技がまたすごいんですよね。


観ていて感じたのは、ピーター・フランクルの『夜と霧』に通じるものがあるな、ということ。まあ、境遇も割と似通っていますが。
人間が生きていくためには、希望が必要である。ただ、まやかしの希望を持つと、それが冷めた時に一気に死に向かってしまうんですよね。
『夜と霧』では「責任を自覚すると生きることから降りられない」と書かれていましたが、親を失い、妻を失ってもなお生きようとしたラーゲリの人々、本当に強かったんだな。


ちょっと演出過剰のきらいもあるので、正直…と思うところはあれど、作品のメッセージは映像で十分に伝わってくる、良い作品だったと思います。
こういう重い作品は、評判が良かったとしても配信やレンタルで観るのはしんどいので、劇場で観たのは正解だったかな、と。