適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

マイ・ベスト・アニメ10選⑤ ~ギャグアニメ編~

他ジャンルについては以下の記事で。
kaitopoketto.hatenablog.com


―――選出ルール―――


・基本的に放送年順に並べる。
・軽く紹介文を入れる。
・順位はつけない。
・複数ジャンルに跨っている作品については適当に分類する。


今回はギャグアニメ編。このジャンルに関しては「昔は一番好きだったけど、今はそれに比べたらちょっと落ち着いた」ような認識ですね。
学生の頃はコテコテのギャグが好きだったけど、次第に体が重いものを受け付けなくなってきたというか。あっさりした食べ物が好きになっていくみたいな。
まあ、それでも、このジャンルは自分のアニメ好きのルーツみたいなところがあるので、一番思い入れはあるかもしれないですが。

⑤-1.『へっぽこ実験アニメーション エクセル♥サーガ』 (制作:J.C.STAFF 監督:ワタナベシンイチ 1999年放送・全26話)


オープニング前に「アニメ化に際しその全権をスタッフに委ねることを誓います」という作者の誓約書が出てくるところから始まる異色のアニメ。
タイトル通り、全編に渡って荒唐無稽なパロディの応酬が繰り広げられる、何でもありな作品。原作者が出してた同人誌を元ネタに1エピソード作って放送した回とかあったな…。
倉田英之黒田洋介両氏が交互に脚本を担当しているのも、今見るとなかなかに壮観ですね。今作のOVAは海外だと児童ポルノ扱いで発禁になってる国もあるとか。
…まあ、文字で書いても1/3も伝わらないと思うので、次回予告をまとめた動画を観れば雰囲気はだいたい分かると思います。キャラの口パク速度より早口で喋る声優のすごさ。



エクセル・サーガ 次回予告

⑤-2.『ギャラクシーエンジェル』 (制作:マッドハウス 監督:浅香守生 2001年~2004年放送・全126話)

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受験期にドハマりした思い出の作品。アルバイトして溜めたお金でDVDBOXを買ったのに、いつの間にかブルーレイボックスが出てて泣きました。大人はきたない。
古代文明の遺産「ロストテクノロジー」を探して、エンジェル隊の面々が奔走する…というのは建前で、実際はなんでもありな作品。所謂シットコムの傑作。
とにかくオチがフリーダム。「合体ロボットに乗り込もうとするも爆発」「木の実を食べたら体が樹木になってしまい、そのまま数百年が経過」
「肩が触れた衝撃でふっ飛ばされて主人公が死んでしまったので、バレーボール対決で仇討ち」等々…好きなエピソード挙げてるだけなのに、文字にすると意味不明だな(
主題歌もとてもキャッチーで好きです。話数は一見多く見えますが、1話15分なので実際はそこまででもないし、割と観やすいと思います。

⑤-3.『ギャグマンガ日和』 (制作:アートランドスタジオディーン 監督:大地丙太郎 2005年~2010年放送・全62話)

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もはや説明不要の短編ギャグアニメの傑作…だと思うけどもう結構前だし知名度も下がってたりするのだろうか。
大地丙太郎監督の作品を好きになったきっかけですね。「シール」とか「終末」とか何回観たか分からないけど、何度観ても笑える。あと前田剛さんが演じてるキャラは大体面白い。

⑤-4.『ぱにぽにだっしゅ!』 (制作:シャフト 監督:新房昭之 2005年放送・全26話)


アニメと無縁の生活を送っていた自分の人生を狂わせた作品。15年もこんなアイコンにしている時点でお察しですけど。
1話の冒頭が『猿の惑星』のパロディから始まるという時点でセンスの違いを感じる。レトロゲー、アニメ、漫画、洋画…今作がきっかけで知った他作品は数知れず。
ロディアニメというくくりの中では、最高峰の作品ではないでしょうか。主題歌は今聴いても古さを感じないだけでなく、映像まで斬新でしたね。
好きなエピソードは「鬼に衣」が1番ですが、「微かなるより顕かなるはなし」「死して屍拾う者なし」等、挙げるとキリがない。というか全部好きだわ。
あと、ウェブラジオが非常に面白かったですね。トークスキルの高さに驚いて、完全にファンになってしまった。CD実家にあるけど、たまに聴きたくなるな。

⑤-5.『さよなら絶望先生』 (制作:シャフト 監督:新房昭之 2007年~2009年放送・全38話)

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もはや漫画という形式を取ったコラム。原作も好きですが、シャフトアニメとの相性が特に良い作品。2期、3期と進むにつれ、どんどん挑戦的になって面白さも増していく。
ともすれば「原作クラッシャー」とか呼ばれがちですけど、ある程度クラッシュされても問題ない作品であれば問題ない(直球)。いや、クラッシュしてなかったけど。
原作のタッチを活かし、平面的なビジュアルで動かしたのは正解だったのでは。…正直、完成されている作品なので、あまり書くことが思いつかない(

⑤-6.『ファイアボール』 (制作:ウォルト・ディズニー・ジャパン 監督:荒川航 2008年~2017年放送・全29話)

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いかにも遠い未来、ありふれた惑星にて___。人類の抵抗により、ロボットによる貴族政治が終焉を迎えようとしていた。
世界から隔離された屋敷を舞台に、フリューゲル公爵の娘ドロッセル、そして、その執事ゲデヒトニス、2体のロボットによる他愛ない日常会話が描かれる。

1話わずか2分の短編作品。ヒューマノイドのお嬢様・ドロッセルと、その執事である機械・ゲデヒトニスの、どこか噛み合わない会話劇。
会話の面白さもさることながら、会話の端々に登場する小ネタの出典の幅広さにも驚かされる。そしてドロッセルお嬢様が可愛い。初めて買ったフィギュアです。
自分のイチオシエピソードは7話の「プロフェシー」。初見では爆笑しました。続編が制作された時は嬉しかったなあ。

⑤-7.『天体戦士サンレッド』 (制作:AIC 監督:岸誠二 2008年~2009年放送・全52話)

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神奈川県川崎市に住む、ヒモのヒーロー・サンレッドと、世界征服を企む悪の組織・フロシャイムとの戦い…とは名ばかりの、交流を描いた作品。1話15分。
実質的な主人公はフロシャイムの幹部であるヴァンプ将軍で、フロシャイムの怪人たちも個性派揃い。各怪人ごとのミニコーナーもあったりと、テンポも良い。
なんと言っても、溢れる生活感が好きなんですよね。簡単に作れる一品料理のコーナーがあったり、エンディングも料理人が歌っていたりと、観てると結構お腹が空く作品。

⑤-8.『てーきゅう』 (制作:MAPPAミルパンセ 監督:板垣伸 2012年~2017放送・全122話)


テニスをしないテニスアニメ。1話2分で、とにかくハイスピードなことが最大の特徴。意味のわからないネタも勢いと速さで全てごり押すパワータイプの作品。
合う、合わないは分かれそうですが、ツッコミも(過労死気味だけど)ちゃんとしてるので、意外に手堅い作品なのではないでしょうか。展開の意味不明さは手堅さとは程遠いけど。
ルーツ作品だと、ニコニコ動画にある『するめいか』の自主制作アニメもまた違った味わいで面白いですね。書きながら久しぶりに『王侯貴族のためのするめいか』聴きに行きました。

⑤-9.『この素晴らしい世界に祝福を!』 (制作:スタジオディーン 監督:金崎貴臣 2016~2017年放送・全20話)


通称「このすば」。死んで異世界に転生した主人公・カズマと、駄女神・アクア、中二病の魔法使い・めぐみん、ドMの女騎士・ダクネスの4人のパーティが織りなすドタバタ劇。
異世界転生モノのお約束を逆手に取った作風が特徴で、主人公はクズだし、清楚に見える女神はわがままで怠け者、魔法使いは中二病だし、騎士はドMだからすぐ攻撃を受けたがる。
敵は一応ちゃんとしているキャラクターが多いのですが、そこにまたツッコミを入れたりと、噛み合わなさが魅力。作画は大分ヤバいですが、ギャグだしあまり気にならない。
正直、割と昨今の異世界転生作品は食傷気味だったのですが、うまくお約束をアレンジしてギャグ作品にした今作はとても面白く、楽しめました。映画も良かったのでお勧めです。

⑤-10.『邪神ちゃんドロップキック』 (制作:ノーマッド 監督:佐藤光 2018~2020年放送・全24話)


1話で、いきなりキャラ紹介も設定の説明もなくすき焼きを食べる、という謎の導入だったことで、視聴をやめた人が多いとか多くないとか。
魔界から召喚された邪神ちゃんが、魔界に帰るために召喚者の女子大生・花園ゆりねを殺そうとするも、その度に返り討ちにあう、というお話。
ストーリーと呼べるものはそれだけで、キャラクターの掛け合いだけで30分、24話。ギャグも割とくだらないものが多い。2期になって更にその傾向が強まったように思います。
それでも面白いのは、各キャラの立ち位置がはっきりしているからなのかな、と。ふでやすかずゆき脚本作品から何を選ぶか迷った結果、これにしました。


というわけで10作品。見事に不条理ギャグに傾倒している…。三つ子の魂百まで、というやつでしょうか。
このジャンルはアクの強い作品が好みなので、多分どれも合わない人には合わないかもしれませんが、振り返ってみると、やっぱり大好きな作品ばかりですね。

マイ・ベスト・アニメ10選④ ~ファンタジー・アクションアニメ編~

他ジャンルについては以下の記事で。
kaitopoketto.hatenablog.com


―――選出ルール―――


・基本的に放送年順に並べる。
・軽く紹介文を入れる。
・順位はつけない。
・複数ジャンルに跨っている作品については適当に分類する。


しばらく期間を空けて書こうかと思っていましたが、この記事、書くのに結構時間がかかるので、どうせなら時間のある連休中にもう少し書いておくか、ということで。
このジャンルのアニメは、どちらかというとあまり観ない方かも…。骨太な作品が多いから、精神的に余裕がある時じゃないと、途中でしんどくなってしまうんですよね。
ただ、好きな作品がないかと言うと、決してそんなことはないのですが。もう少し開拓していきたいジャンルではありますね。

④-1.『ガンバの冒険』 (制作:東京ムービー 監督:出崎統 1975年放送・全26話)


港に集まるネズミたちの元に、傷だらけの小ネズミが飛び込んでくる。故郷の島を支配している白イタチ・ノロイを一緒に倒してくれないか、という頼みに呼応した7匹のネズミたちの冒険活劇。
前半は島に到着するまでの愉快な冒険、島に到着してからは黒ギツネと死闘を繰り広げたり、鷹に攫われたりと事件が起こり、後半はノロイとの決戦。
ネズミの力は非力で、強大な敵の前には犠牲も出る。生きるために裏切るやつも出る。そこの描写がしっかりしているから、最後の決戦で得られるカタルシスもまた、相当なもの。
もちろんシリアス一辺倒ではなく、ラテン調の陽気な劇伴を聴くと心が躍る。ネズミから見た世界の描写が秀逸で、純粋にとても面白い作品。地名度の割に短く、観やすいので勧めやすい。

④-2.『宝島』 (制作:東京ムービー新社 監督:出崎統 1978年放送・全26話)

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実は出来るだけ10作品は違う監督の作品を、と思っているのですが、いきなり被るっていう( まあ、どちらも名作なので仕方ない、ということで…。
宝の地図を手に入れた主人公・ジムが宝島を目指す、最早有名すぎてあらすじとか書くまでもない冒険譚。
ジムたち調査隊陣営と、シルバーたち海賊陣営との争い。その中で芽生えるジムとシルバーの男の友情。流行る熱病、命を落とす仲間…。
二転三転する展開がとにかくアツく、ダンディズムの極致であるシルバーがとにかく格好良い。完全に原作を超えた名作だと思います。

④-3.『十二国記』 (制作:ぴえろ 監督:小林常夫 2002年放送・全45話)

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女子高生・中嶋陽子が謎の男に異世界へと連れていかれ、差別されたり騙されたりして人間不信に陥るも、国王として偽王を討つことを決意する…という壮大なファンタジー
広く括れば最近流行りの「異世界転生」モノですが、人間の汚い部分がリアルに描写されているので、結構観るのはしんどいかも…。ネズミが出てくるまでは観てほしい。
4部構成で、それぞれ主人公が変わるのですが、最終章で一堂に会するのは胸のすく思いでした。ゆとり世代なので、こいつらちょっと厳しすぎない?ってなってしまうことも…。

④-4.『ガングレイヴ』 (制作:マッドハウス 監督:都留稔幸 2003年放送・全26話)


主人公・ブランドンとその親友・ハリーが、マフィア組織「ミレニオン」に入り、のし上がり、そして次第にすれ違っていく様子を描いた作品。
ハリーが権力を追い求めるようになり、次第に二人の間に広がる確執。ボスを殺して頂点に立つべきか、ブランドンの守りたいものとは。
マフィアもののアニメだと『バッカーノ!』も好きですが、オムニバス形式のあちらより、2人の関係性、どこで道を違えたかに焦点を当てたこちらを選びました。

④-5.『サムライチャンプルー』 (制作:マングローブ 監督:渡辺信一郎 2004年放送・全26話)

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ヒップホップを取り入れた時代劇」というコンセプトからしてスタイリッシュ。全体的に、同じく渡辺監督の『カウボーイビバップ』に似た作品ですね。
向日葵の匂いのする侍を探して江戸から長崎までを旅する、というロードムービーで、1話完結でたまに人情もの、たまにギャグ。江戸時代なのに野球回まである始末。
アクションシーンも見応え充分で、ラストが気持ちの良い終わり方だったのも好印象。本筋自体は『ビバップ』より軽いですが、その軽さがまた、本作の魅力でもあると思っています。

④-6.『うたわれるもの』 (制作:オー・エル・エム 監督:小林智樹 2006年放送・全26話)

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  • 発売日: 2008/01/23
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ラジオが人気だったこととか、「キン!キン!キン!キン!」のSEから始まる主題歌(名曲)とか、色々と懐かしい作品。
山奥の村に、ある日瀕死の男が運び込まれる。謎の男・ハクオロは村人に助けられる以前の記憶を失っていて…。
前半は村を圧政から救うべく立ち上がる、という『三国志』チックな展開から一転、後半は世界の謎が明かされていき、SFロボットアニメの様相を呈する。
美少女ゲーム原作ということもあり、ヒロインもとても魅力的。ある種、異世界転生モノに通じるところはありますが、そこら辺を詳しく書くとネタバレになってしまうな(

④-7.『精霊の守り人』 (制作:Production I.G 監督:神山健治 2007年放送・全26話)

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  • 発売日: 2016/11/25
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ヨゴ国の第二皇子・チャグムの身には水妖が宿っていた。チャグムを殺そうとする皇帝の手から守るため、母・二ノ妃は女短槍使い・バルサにチャグムを連れて逃げるように依頼する…。
水妖にまつわる皇国創世神話にまつわる真実、迫る帝の手先との戦い。そして旅の中で人間的に成長していくチャグム。ファンタジーとしても、ビルドゥングスロマンとしても秀逸。
序盤から印象的に使われている民間の伝承歌『ナージの歌』に隠された意味が最後に明かされる展開は本当に印象的でした。非常に手堅い王道ファンタジーアニメ。川井憲次の音楽も良い。

④-8.『TIGER & BUNNY』 (制作:サンライズ 監督:さとうけいいち 2011年放送・全25話)

TIGER & BUNNY Blu-ray BOX

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ベテランヒーローのワイルドタイガーと、スーパールーキーのバーナビーを主人公にした、バディもののヒーローアニメ。
目指すものが違い、凸凹コンビだった2人が少しずつ信頼関係を築いていく様子も良いし、個性的な他ヒーローも魅力的。鏑木楓ちゃんも魅力的。
後半クールでやや失速したのと、謎が投げっぱなしのままだったのが気にかかりますが、続編の制作が決定したみたいなので、きっちり描いてくれるはず。

④-9.『Go!プリンセスプリキュア』 (制作:東映アニメーション 監督:田中裕太 2015年放送・全50話)


50話分をかけて、「夢を追いかけるとはどういうことか」を丁寧に描いた作品。良くも悪くも、非常にカタい作風が特徴だと言えますね。
仲間との友情や絆の強さはもちろん大事だが、それだけではない。「夢を追いたいならば、最終的には自分で決断しなければならない」という重いテーマと向き合っているのが好印象。
クローズとの戦いを通して、夢と絶望とは表裏一体である、ということを描いているのも好きですね。そしてシリーズの例にもれず、バトルシーンの作画が素晴らしい。

④-10.『僕のヒーローアカデミア』 (制作:ボンズ 監督:長崎健司 2016~2020年放送・全88話)


無個性だった主人公・緑谷出久が、個性を受け継ぎ、仲間と共にヒーローとして成長しながら、敵・ヴィランと戦っていく物語。
戦いや交流を通して「ヒーローとは、正義とは何か?」というテーマが少しずつ掘られていく。能力バトルものとしても、学園ものとしても楽しめる作品。
4シリーズ続いているので話数は長めですが、観始めたら止まらなくなるほど面白いので気にならない。5期も決定しているので、今から楽しみです。


というわけで10作品。改めて見ると過半数が非深夜アニメですね。そのおかげか、どちらかというと年齢層を問わず楽しめる作品が多いかな。
最低2クールは観たいジャンルなので、毎クール新作、というわけにはいかないですが、逆に過去作は色々あるので、発掘するのも楽しいという。

機動新世紀ガンダムX ★★★★★★★★★☆

ロボットアニメを観るのを大分サボっていたので久しぶりに。もしかして、前に観たの『コン・バトラーV』なのでは…?もう1年前のことですけど。
ガンダムシリーズはかなり前に初代からWまで観たあと、何故か飛ばしてSEEDに行ってしまったので、観るのは久しぶりでした。近年のは観てるんですけどね…。

ひとつのスペース・コロニーの独立戦争に端を発した戦争が、地球と・スペースコロニーの全面戦争となった。
戦いは泥沼となり、人類の全ての故郷である地球は致命的なダメージを受け、百億を誇った人口のほとんどは失われた。それから戦後15年、地球環境はようやく安定期に入った。
主人公ガロード・ランは戦災孤児だが、モビルスーツについては一級の知識と技量を持つ少年だ。
謎の紳士から少女ティファの救出を依頼されたガロードは、彼女を連れ去ったという陸上戦艦‘フリーデン’に忍び込む。
無事にティファを連れ出したガロードは、謎の紳士の元へ行くが、ティファは紳士を見て怯えてしまう。
事情を察したガロードは、ティファを連れて逃走、ティファの不思議な力に導かれ、旧連邦の工場跡でMS“ガンダムエックス”を発見するのだった…。


公式サイトからあらすじを引用。主人公の少年が連れ去られた少女を救出しようとするところからストーリーが始まり、物語を通して、少年は少女のために戦う。
良質なボーイ・ミーツ・ガールものの作品でした。ガンダムシリーズのヒロインって、大体頭のネジが数本飛んでたり、生命力に溢れる強いキャラクターが多い印象があって。
でも、ガロードとティファは、言ってみればとても真っ当なカップルで、ガンダムシリーズの中でも一番好感が持てる主人公たちでした。


フリーデンのクルーも、ジャミルを始めとして、ウィッツ、ロアビィ、サラ、トニヤ等、ガロードから見たら大人だけど、実際の年齢はまだそれなりに若いんですよね。
彼ら、彼女らなりに色々な悩みを抱えつつ、戦っていく様子は観ていてとても面白かったです。15話「天国なんてあるのかな」とか名エピソードで好き。
エスタルドのウイリスとかリー将軍周りのエピソードも良かった。リー将軍、完全に阿南惟幾陸相だよなwとか思いながら観てました。


今作の特徴として、所謂宇宙世紀モノ以外で「ニュータイプ」という概念を登場させている点があって、これも挑戦的で良かったかな、と。
ニュータイプが未来を作るのでもなく、ニュータイプを政治利用するのでもない。未来に希望を持って行動することこそが新たな時代を開くのだ、というまとめ方は好みですね。
あとは、エンディングで次回のあらすじを語るという斬新な手法。そして次エピソードの名言を最後に持ってきてそのままサブタイトルにしてしまう。スタイリッシュ。
1話からずっとナレーションで次回予告をしていたのは実は…というのが最後に明かされるのも面白い仕掛けでしたし。単純にある程度予習して物語に臨めるのは良いですね。


…と、色々好きな点は多いのですが、逆に気になった点も挙げていくと、まず、敵のキャラ付けが弱いこと。フロスト兄弟、ライバルとしても…だし、動機も微妙でしたね。
あと、終わり方が少し唐突だったかな。D.O.M.E.という存在は一種のデウス・エクス・マキナだし、あの語りで全て納得させてしまうというのはちょっと強引に感じました。
これは意見が分かれるかもしれませんが、ほぼストーリーがフリーデン内で完結しており、他シリーズと比べて政治色が弱かったかな。その分観やすかったのもありますが。
戦闘シーンも地味なものが多かった印象ですが、サテライトキャノンという設定は面白かったので、これはそこまで気にならなかったかな。


ガンダム』っぽくはない作品だったかもしれませんが、個人的にはかなり好みでした。人気のシリーズだというのも分かるなあ。
ここまで観たので、次は『∀ガンダム』ですかね。∀を観ればひとまずSDシリーズとかを除けば一通りTVシリーズは観たことに…いや、『Gレコ』も途中で投げてたか(

信長の忍び ★★★★★★★★★☆


少し前、思い入れのある漫画についての記事で、4コマ漫画の中で1つ選ぶなら『サナギさん』だけど、学生時代に作家買いしていた手堅い構成の人は他にもいる、と書きました。
その手堅い4コマ漫画家を代表する、と自分が考えている1人が、重野なおき先生。先生の4コマはとても安定感があるんですよね。
所謂きらら系の4コマによくあるような、オチの弱いものではなく、4コマ目できっちりオチる正統派4コマ。


先生の代表作は、と考えた時、一昔前なら『Good Morning ティーチャー』もしくは『うちの大家族』だったと思うのですが、現在はこの『信長の忍び』かなあ、と思います。気づけば16巻。
主人公である忍者の少女・千鳥が、織田信長に仕え、愉快な仲間と共に天下統一を目指す。とても単純明快なストーリー。
織田信長は大の甘党、羽柴秀吉はお調子者、前田利家はバカップル、浅井長政は筋肉バカ…等々、分かりやすいキャラ付けがされていて、しっかりオチるのは他作品と同じ。


この作品の魅力は、1コマ1コマはちゃんとオチがありながら、全体としてはちゃんと戦国時代のストーリーが繋がっていること。
それだと普通だろ、という話ですが、それだけではなく、ちゃんと史実に基づいて展開していくし、有名な逸話を元にしたネタも豊富に登場するんですよね。
重野なおき先生は社会科の教員免許を持っており、その知識が活かされた作品になっている。こう書くと俗っぽいけど、楽しく読みながら戦国時代が学べる漫画だと思います。


アニメ化された当時、観たかったのですが、本放送が映らず、かといって4分枠のアニメをニコニコ動画で都度追うのも面倒で、途中で中断したきりになっていました。
最近になって色々な動画サイトで全話配信されたので、一気に観てみたところ、加速度的に面白くなり、78話分一気に観てしまいました。…と言っても、全部足しても5時間ちょっとですが。


1つ1つの4コマがきっちりオチるが故に、アニメ化したらぶつ切りになるのでは?という懸念は「太鼓の音で場面転換する」という演出でカバーされていました。ドンドンカカカッ。
この手法、同じく大地監督作品である2001年版の『フルーツバスケット』でも似たような演出がされていたのが思い出深い。短編なのと相まって、作品全体のテンポが良くなっていると思います。


アニメ版で好きなのは、ナレーションや文章で所々説明が入るところですね。知識がない視聴者でも抵抗なく、戦国時代の情勢が理解しやすい。
信長モノのアニメって、それこそ女体化してたり異世界からやって来たり逆に異世界行ったり、果てはロボットを操縦したり犬になったりと、およそ史実とは遠い作品が多いイメージでした。
その点、『信長の忍び』は主人公こそ架空ですが、史実に沿った正統派戦国アニメ。ギャグテイストでしかも短編なので、日本史に明るくなくても楽しめて、知識も得られる稀有な作品。
78話かけてストーリーが進んでいく様がとても面白く、知識として知っているはずなのに、共に天下統一を目指した仲間が合戦で命を落とすシーンでは思わず泣けてしまいました。
3期は志賀の陣までだったので、いずれ4期も放送されるのかな。今から楽しみです。原作のストックはまだまだ余裕というか、多分半分もいってないくらいのはずですし。

マイ・ベスト・アニメ10選③ ~日常系アニメ編~

他ジャンルについては以下の記事で。
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―――選出ルール―――


・基本的に放送年順に並べる。
・軽く紹介文を入れる。
・順位はつけない。
・複数ジャンルに跨っている作品については適当に分類する。


これやるの1年近くぶりになるのかな。友人が似たようなことをやっていて思い出したので、久しぶりに書くことにしました。
自分で言うのもなんですが、所謂ゼロ年代の量産型萌えアニメオタクなので、それなりの数の作品を観ているジャンルなんですよね。
…ということで、十数年の間、毎クールのように観ている日常系アニメの中から、思い入れのある10作品を選んでみました。

③-1.『かみちゅ!』 (制作:ブレインズ・ベース 監督:舛成孝二 2005年放送・全16話)

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  • 発売日: 2010/06/02
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タイトルの『かみちゅ!』とは「神様中学生」の略。舞台は1980年代の尾道。主人公の一橋ゆりえが、ある日突然「神様」になる、というストーリー。
何故神様になってしまったのか、というところは最後まで語られず、また、周囲もそんなゆりえを何となく受け入れる。
八百万の神が登場する非日常と、ゆりえが学友と過ごすの日常の混じり合う雰囲気がとても愛おしい。ノスタルジックな雰囲気がとても好きな作品です。
映像の中にスタッフ名を入れ込むOP映像もとてもハイセンス。舛成・倉田コンビの描く気だるい日常が大好きなんですが、今作は代表作と言えるのではないでしょうか。

③-2.『苺ましまろ』 (制作:童夢 監督:佐藤卓哉 2005年放送・全12話)


かわいいは、正義!」というキャッチコピーが有名ですが、小学生がどうとかではなく、まっとうに面白いシュール系日常ギャグアニメ。
キャラクターの掛け合いが特に秀逸で、劇伴が少ないのが特徴。ツッコミ等で無音のシーンを効果的に使っているのが面白い。美羽が天才すぎるからな…。
結構イジりが強めなタイプの作品なので(アナとか、笹塚とか)、そういうのが受け付けない人は合わないかも。でも、観てるとクセになる。
あとは、オープニング主題歌でしょうか。『いちごコンプリート』、同世代のオタクは皆カラオケで何度も歌いましたよね。きっと。

③-3.『スケッチブック 〜full color's〜』 (制作:ハルフィルムメーカー 監督:平池芳正 2007年放送・全13話)

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  • 発売日: 2008/01/25
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舞台は福岡の太宰府市。口下手な主人公の女子高生・梶原空が、美術部に入部し、部員や猫たちと関わっていく日常を描いた作品。
何人もいる美術部員は顧問を含めて皆キャラが濃くて面白いし、動物や植物への軽い小ネタが随所に出てくるのも面白い。ほのぼのとした笑えるポイントも随所にある。
加えて、ピアノ主体の劇伴がとても作品とマッチしている。この作品の魅力を文字で伝えるのは難しいのですが、13話を通してブレることのない「空気感」なのかな。
エンディング『スケッチブックを持ったまま』の入り方も絶妙。自分が牧野由依さんの歌に興味を持ったきっかけの1つである作品ですね。
きっかけといえば、空を演じる花澤香菜さんの朴訥な演技がとても好きで、ハマったきっかけの作品でもあります。10年以上経った今でも、花澤病に罹患したまま…。

③ー4.『みなみけ』 (制作:童夢 監督:太田雅彦 2007年放送・全13話)


この物語は南家3姉妹の平凡な日常を淡々と描くものです。過度な期待はしないでください。」というオープニング前のセリフに象徴される作品。
タイトルの通り、春香・夏奈・千秋の3姉妹が織りなす日常を描いたアニメなのですが、この作品の魅力は、関係性の多様さとバランスの良さにあると思っています。
お姉さんの春香、アホなことをやる夏奈、それに冷静にツッコむ千秋という基本の関係性がまずあって、春香は高校生、夏奈は中学生、千秋は小学生、という通う学校の違いがある。
当然3人それぞれにクラスメートがいて、そいつらがまた面白い。気持ち悪い保坂先輩が代表的ですけど、夏奈に片想いしている藤岡とか、色々あって女装することになるマコトとか…。
日常系の良さ、キャラクターの可愛さ、笑いの種類、全てにおいて引き出しが広く、日常系アニメの優等生的作品。2期はともかく、3~4期も好きですが、やはり原点が一番かな。
大田監督の日常系作品は『みつどもえ』『ゆるゆり』『恋愛ラボ』『さばげぶっ!』『うまるちゃん』『ガヴドロ』『ウザメイド』…等々、平均点が高いので、視聴前にも期待しやすい。

③-5.『男子高校生の日常』 (制作:サンライズ 監督:高松信司 2012年放送・全12話)

男子高校生の日常 Blu-ray BOX

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  • 発売日: 2013/10/02
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タイトルの通り、男子校に通う男子高校生がアホなことをやっている日常を描く…という、基本的にはただそれだけの作品。
これが好きな理由は、自分もこういうしょうもない会話をして高校時代を過ごしていたなあ、という懐かしさからという面が大きいですね。
ただ、それを差し引いても、短編構成なので観やすい、という長所はありますし、文学少女やりんごちゃんを筆頭に、女子キャラクターのクセが強いのも特徴。
高松監督でサンライズということで、『銀魂』と共通するスタッフも多く、ノリとテンポの良さは近いものがあるかも。高松監督作品も好きなんだよなあ。

③-6.『ゆゆ式』 (制作:キネマシトラス 監督:かおり 2013年放送・全12話)

ゆゆ式 Blu-ray BOX

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  • 発売日: 2015/11/26
  • メディア: Blu-ray


日常系アニメの中で異彩を放っている作品。ゆずこ・唯・縁の女子高生3人が織りなす、くだらない会話のやりとりを中心に描いたアニメ。
あたかも連想ゲームのように、話題が思わぬ方向に転がっていく。非常に感覚的で、ハイコンテクストな会話のやりとりは、他の作品にない、唯一無二の特徴といえますね。
絶妙にバランスが取れた信頼関係の上に成り立っている、言葉のキャッチボール。学園ものなのにイベントに頼らず、ほぼ会話劇一本で通すという作風は一見の価値がある。

③-7.『きんいろモザイク』 (制作:Studio五組 監督:天衝 2013年~2015年放送・全24話)

きんいろモザイク Blu-ray BOX

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  • 発売日: 2016/11/25
  • メディア: Blu-ray


マイペースな女子高生の大宮忍、イギリスからホームステイしてきたアリス、友人の綾、陽子、カレンの5人を中心にした日常系アニメ。
この作品もバランス感覚の良さが好きな点ですね。忍は基本的にボケ側だけど、たまに天然で鋭い返しをするところが面白い。
5人の中で一番「ガチ」な綾は、陽子のことになると表情豊かになるのも面白いし。劇場版はこの辺が掘り下げられていて良かったですね。
書いていて思うんですが、自分が好きな日常系アニメは、ボケとツッコミがしっかりしていて笑える作品、ということになるのかもしれないな…。

③-8.『ゆるゆり』 (制作:動画工房 監督:太田雅彦 2011~2015年放送・全36話)

ゆるゆり Blu-ray BOX (完全生産限定)

ゆるゆり Blu-ray BOX (完全生産限定)

  • 発売日: 2014/07/16
  • メディア: Blu-ray


読んで字のごとく、ゆるい百合アニメ。七森中のごらく部に所属する4人と、生徒会メンバーを中心にした日常を描く作品。
主人公の赤座あかりが優等生の良い子、という、ともすれば影が薄くなりがちな設定なのですが、それを逆に活かし「影の薄いキャラ」としていじる作風が好きです。
百合描写についても、ギャグに昇華していることが多いので興味がなくても割と抵抗なく観られる。基本友情ベースなので、そこから感動的なエピソードに繋がったりもするし。
名言やキャッチーな主題歌等、とにかく華のある作品、という印象。個人的にはあかりとちなつの関係性が良いと思ってます。キャラクターとしてはあかりが一番好きですが。

③-9.『三ツ星カラーズ』 (制作:SILVER LINK. 監督:河村智之 2018年放送・全12話)


小学生の女の子、結衣・さっちゃん・琴葉の3人が「カラーズ」という秘密組織を結成し、上野の平和を守るために活動する…という名目で自由に遊び回るお話。
3人の関係性が絶妙で、常識人ポジションの結衣は空気が読めずに辛辣な発言をすることもあるし、アホなことばっかりやっているさっちゃんもたまには2人をとりなすこともある。
強気で悪知恵の働く琴葉は実は携帯ゲームが好きだけど苦手で、打たれ弱かったり。常に関係性が変わっていくので、観ていて飽きないんですよね。
同じく小学生が主人公ということで『苺ましまろ』を彷彿とさせますが、『カラーズ』の方がより突飛な行動が多く、良くも悪くも小学生らしい自由さが出ているように思います。

③-10.『女子高生の無駄づかい』 (制作:パッショーネ 監督:高橋丈夫 2019年放送・全12話)


「バカ」「ヲタ」「ロボ」の女子高生3人組を中心に「ロリ」「ヤマイ」「マジメ」「マジョ」…等々、バカが名付けたクラスメートとの日常を描いた作品。
女子校で自由に過ごす女子高生、という設定だと『女子高生 GIRL'S-HIGH』や『ゴクジョッ。』を思い出しますが、今作はそれほど下ネタ全開ではなく。
無軌道な何でもありのキャラ・バカと、発想が天才的で予測不能なロボ。それにツッコむ常識人でオタクのヲタ。
この3人の会話劇も面白いですが、強烈にキャラ付けされたマジョやヤマイが出てくる回の方が特に印象的だったかな。ヤマイのラップとか好きでした。
かと思いきや、11話ではヲタに焦点を当てて王道な青春エピソードをやっていたのもとても印象的。様々な面で楽しめる作品だったと思います。



…というわけで、ここ15年の間に放送された中から10作品挙げてみました。ざっと見返してみると、やっぱりギャグテイストの作品を好きになる傾向にあるのかな。
かみちゅ!』と『スケッチブック』はそれに当てはまらないので、特別に思い入れがある作品、ということになるのだろうか。まあ、どっちも円盤買うほどハマった作品ですが。
話の起伏が乏しいことが多く、視聴後に記憶に残りにくいことも多いジャンルですが、関係性がきっちりしている作品は放送後何年か経っても記憶に残りやすいのかもしれないですね。

僕のヒーローアカデミア(第3期) ★★★★★★★★★☆

第61話 デクVSかっちゃん2

第61話 デクVSかっちゃん2

  • 発売日: 2018/09/16
  • メディア: Prime Video


3期は林間合宿、ヴィラン連合の襲撃、オール・フォー・ワンとの対決、そして仮免試験。2期の感想でも書いたけど、この作品、勢いが落ちないから観始めると止まらなくなってしまいますね。
ちょくちょく回想挟むし、テンポはあまり早くない方だと思うんですけど、それでも飽きないのは、キャラクターとストーリーがそれだけ魅力的だということなんでしょうね。


サムネに選んだのは3期で一番好きな61話。子供の頃からずっと見下していたデクが、いつの間にか個性を手に入れ、いつの間にか自分の先を行くようになる。
それだけでなく、子供の頃からの憧れだったオールマイトに選ばれたのは自分ではなくデク。その上、自分を救出するための戦いでオールマイトは引退してしまった。
それらを全て自分で抱え込んでしまった爆豪の悲痛な想いが岡本信彦さんの名演でとても良く伝わってくる。制作スタッフとキャストに恵まれたアニメだよなあ。


…あ、でも割といいところだったのに突然24時間テレビのコラボ回が挟まった時はズッコケました。これ配信するくらいならOVAも配信に入れてほしかった。

老人Z ★★★★★★★★★☆

老人Z

老人Z

  • 発売日: 2017/10/13
  • メディア: Prime Video


「厚生省を舐めるなよ!」


タイトルくらいしか知らなかったのですが、バンダイチャンネルのサジェストに出てきたので、観てみることにしました。1991年、約30年前に制作されたアニメ映画。
寝たきり老人を乗せた自動介護ベッドが、変形しながら勝手に動き出し、軍事用に開発された戦闘ロボットと激しい戦いをくりひろげる」とウェブサイトのあらすじにありました。


…これだけだと意味不明ですが、ストーリーはだいたいそんな感じ( 寝たきりのおじいちゃんの亡き妻、ハル*1の音声を介護ロボットに覚えさせたことで、ロボが自我を持つようになる。
看護学生の主人公・晴子はボランティアで寝たきり老人の介護をしていたところ、ある日、介護をしていた老人が厚労省の開発した全自動介護ロボのモニターに選ばれてしまう。
「ロボの介護には温かみが足りない」と違和感を覚えつつ、お見舞いに行ってみると、全身を拘束され、チューブに繋がれたおじいちゃんを目の当たりにし、ショックを受ける晴子。
おじいちゃんを助けるために病院に忍び込んだり、ハッカーの老人3人組と協力したり、と奮闘しているうちに自我を持ったロボットが老人の望みを叶えようと暴走する…というお話。


高齢化社会の問題点とは?」みたいな重めのテーマを大上段に振りかざす作品なのかと思いきや、そんなことはなく、基本線はあくまでドタバタコメディーで、自分の好みに合うものでした。
あとは、明確な悪人が黒幕(と言ってもバレバレですが)くらいで、みんな善人というか、信じるもののために真剣なのも良い。晴子と最初は敵対関係にある、厚生省官僚・寺田にしてもそう。
介護問題は如何に自動化できるかにかかっている」という寺田の着眼点は、30年前の作品とは思えないほど鋭い。介護疲れが社会問題化している今観ても、色褪せないテーマだと感じました。
晴子にしたって、周りが見えていないタイプのキャラクターだし、暴走するロボも、おじいちゃんの願いを叶えようとしただけだし。善意が必ずしも良い結果をもたらすとは限らないんですよね。


ただ、「考察」しようとしたらそう思うかな、くらいで、本編は本当にわちゃわちゃしていて展開がすごく早いので、視聴中はあまり難しいことを考えることはなく。
制作陣もなかなか豪華なメンバーなので、アクションシーンの作画は見ごたえありましたね。あと、オチが思わぬ展開でした。確かに、写真と似てはいるけども…。
スタッフといえば、何も知らずに「どことなく今敏作品みたいな雰囲気が良いな~」とか思って観てたら、クレジットで「美術設定:今敏」って出てきて驚きました。
改めて見ると、美術監督補佐に神山健治、メカデザインに磯光雄。本当に錚々たるメンバーだよな…。


観終わって、ストーリーに何か既視感があったというか、これ『攻殻機動隊』のアニメにあったような?と思って検索してみたら、他にも指摘している人がいました。
2話の「暴走の証明 TESTATION」に似てるんだよな。味付けは全然違いますけどね。楽しく観られる佳作でしたが、好みの作品だったので評価は甘めで。

*1:おそらく元ネタはHAL9000でしょう

この音とまれ! ★★★★★★★★★★

天泣

天泣

  • 発売日: 2020/02/21
  • メディア: Prime Video


昨年度に放送されたアニメのうち、視聴環境がなくて断念したものの中で、あまりに評判が良かったので、ずっと気になっていた作品。
1月の瀬戸内杯の打ち上げで先輩から勧められたこともあり、どうにかして観られないか、と思っていたところ、FODプレミアムの観放題にあるのを見つけました。
しかも、配信期間が今日、4月27日の正午まで。これはもう週末に観てしまうしかない、と思い、一気に2クール分観終えました。

廃部寸前の時瀬高校箏曲部。
一人になってしまった部長のもとを訪れたのは不良少年とその友達、そして箏の天才少女だった。
それぞれの箏の音が紡ぐ青春学園物語―


公式サイトからあらすじを引用。廃部寸前の部活で、部員を集めて部を存続させ、全国大会を目指す。ストーリーライン自体はストレートなスポ根もので、その分馴染みやすかったですね。
題材にしているのが「箏」という、大部分の人には馴染みの薄そうな題材でしたが、あまり専門的な描写に立ち入ることなく、音楽の厳しさ、楽しさが描かれていて親切設計だと思いました。


この作品の魅力は、2クールを通して綿密に描いてきた、箏曲部の部員、そしてそれを取り巻く人々の苦悩と克服の道のり。
それがラストの『天泣』の合奏シーンで1つに結実する。得られるカタルシスが半端ではなく、非常に構成が綺麗な点にあると思っていて、とても良く出来た作品だな、と。
演奏に点数を付ける意味とは、とか、努力の先に何があるのか、とか、先輩を差し置いて大会に出ることの是非とか、他校を描写することで弱小部だけでは描けないところも描いているし。


例えば、誰からも信頼されなかった愛が、部内に居場所を見つけ、箏に打ち込むうちに優しさを取り戻していったり。
受験に失敗し、自分に自信が持てなかった武蔵が、部長として部をまとめようと奔走する中で、後輩に慕われ、自信を取り戻していったり。
母を振り向かせようとした結果関係が壊れてしまい、また同世代の友人もいなかったさとわが、箏曲部という居場所を見つけ、かつての自分と向き合っていったり。
他にも色々ありますが、最初はバラバラだった部員、顧問、取り巻く人々の気持ちが、1つ、また1つと障害を乗り越える度にまとまっていき、遂には素晴らしい演奏をするに至る。
音楽が説得力を持つ、っていうのは言葉だと簡単に書けますが、作中で最初に合奏する『龍星群』の最初のフレーズを聴いただけで「あ、これは凄い」って思いましたからね。


特にヒロイン・さとわと、後半に登場する晶が心に抱えている闇の深さは、どちらも親の死別を伴っており、生半可なものではない。
それでも、いや、だからこそ、2人の心を音楽が、そして部員の真剣さが救うところに感動しました。「才能」と「努力」という、この手の作品につきもののテーマでもありましたし。
奇しくも、2人を演じていたのが種崎敦美さんと東山奈央さんという、『リズと青い鳥』のみぞれ・希美と同じコンビだったところに、因縁めいたものを感じましたね。


真面目一辺倒な作品というわけでもなく、愛・さとわと武蔵・妃呂の2人の甘酸っぱい青春模様もあり、3バカも良いアクセントになっていて、青春学園ものとしても楽しめました。
特にこの辺の描写は2期が多かったかな。1期は本当に部活を再建して認めてもらって大会に出る、という、結構駆け足感があったように思うので。密度はその分濃かったですけど。


さて、題材が似ているので、どうしても自分が大好きな『ユーフォ』と比べてしまうのですが、『この音』の方が、良くも悪くも「綺麗」な作品だな、というのが率直な感想です。
キャラクターが抱えている闇も『ユーフォ』より深いし、それが綺麗に回収されていく様はとても綺麗。…でも、綺麗すぎるなあ、と。あまりに良く出来ているが故に、生々しさに乏しい。
もちろん、どちらがより優れている、というものではないのは前提として、部活動って、何でも綺麗に割り切れるわけじゃない、と自分は思っているので。完全に好みになってきますけど。
この辺は「フィクションにおけるリアリティとは何か?」という話になってくるので、これ以上はやめておきますが。両方とも、とても好きな作品であることは間違いないので。


TVアニメ「この音とまれ! 」~僕たちの音~

TVアニメ「この音とまれ! 」~僕たちの音~

  • アーティスト:アニメ
  • 発売日: 2020/02/26
  • メディア: CD


さて、曲がとても良かったので、全話観終わった直後にサントラCDを購入してしまいました。普段触れないジャンルの音楽を、即買おうと思わせるだけのパワーを持った作品。
時瀬だけでなく、他校の演奏も入っているのがとても良いですね。良い買い物をした。



TVアニメ「この音とまれ!」神奈川県予選大会 天泣(演奏:時瀬高等学校箏曲部)


『天泣』は公式で動画が上がっているので、良かったらここを読んでくれている人で、まだ観たことがないという人は、是非一度聴いてみてほしいですね。
それで自分みたいに「これは凄い」と感じたら、是非本編も観てみてほしい。確かにこれは2019年を代表する作品の一つだった。少し遅れたけど、出会えて良かったです。

2020年度春クールアニメ新番組

4月ももう終わりですが、ようやくぼちぼち1話のチェックが出来てきたので、毎クールごとの感想記事。

球詠

主人公がパワプロみたいな魔球を投げられるって設定がワクワクしますね。きらら枠だし、野球モノは安定感があるので、多分観続けると思います。

神之塔 -Tower of God-

最初は意味が分からなかったけど、理不尽な課題をクリアしながら仲間と塔を登っていく展開は意外にシンプルだったし、慣れると結構面白いんですよね。韓国アニメもレベル高いなあ。

八男って、それはないでしょう!

主題歌に力入りすぎでしょ…。うたた寝して起きたら異世界って、それはないでしょう!って思ってしまった。
これから主人公が魔法力で無双していくんでしょうか。師匠との死別も突然過ぎてついていけなかったし、それはないでしょう!って感じでしたね。

かくしごと

青春モノっぽい主題歌からのいつもの久米田ワールド。神谷さんの声には安定感がある。あと大瀧詠一のアーティスト名義が大滝詠一っていう豆知識を得ました。

サクラ大戦 the Animation

完全に門外漢だからわからない面も多いけど、今のところは面白くなりそうな気がするんですよね。金曜は観る作品少ないから多分継続かな。

波よ聞いてくれ

アニメ&ゲームタイピングクイズでしか知らなかったけどかなり面白い。しかもあまり今まで見たことがなかった類の作品。スープカレーが食べたくなるなあ。

ギャルと恐竜

え、これポプテピピックなの…?アニメじゃない部分も多いのでなんとも言えないけど、まあリアルタイムで観ないと意味のない作品だし観るかな。

イエスタデイをうたって

社会人の恋愛もの、あまり観てなかったので新鮮ですね。振った相手に手料理持っていく女はどうなんだよ、って思ってしまうけど。ハルちゃん可哀想…。

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…

アニメ&ゲーム文字パネルクイズでしか知らなかったけど面白い。内田真礼の表情豊かな演技が楽しいんですよね。異世界モノの中ではかなり好みな方かも。

ミュークルドリーミー

桜井監督作品だし、サンリオだし何か面白いのでは?と思って観始めたら、2話のテンポの異常な速さにすっかり引き込まれてしまいました。これからに期待。

つぐもも

1期から間が空きすぎてどんなアニメだったか忘れてたけど、1話を観てこういうエロバカアニメだったと思い出しました。
MXはこんなの22時に放送してて苦情来ないのか…?「(処女)膜がありますね」じゃないんだよ…。

社長、バトルの時間です!

何というか、しょうもなアニメですね…。何故か3話も観てしまったけど、これ以降どうしよう。

グレイプニル

シリアスな感じなのかと思ってたら、下着の描写に命をかけている謎のアニメだった。先が気になるので観続けますけど。

白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE

原作も知らないし、あまり惹かれなかったなあ。放送後に評判良ければ後追いで良いかな…。

邪神ちゃんドロップキック’

kaitopoketto.hatenablog.com
名作。

プリンセスコネクト!Re:Dive

これも原作知らないしなあ、と思って観始めたけど面白い。監督がこのすばと同じと知って納得。ネットミームがたまに出てくるのも面白いし。ヤバイですね☆

フルーツバスケット 2nd season

安定枠。綾女さん好きなので、この前の3話がとても良かったなあと。軽薄なようで深みがある櫻井さんの演技が最高でしたね。

放課後ていぼう日誌

キャラクターが喋る方言に親しみがあってとても良い。自分もこの辺の土地に馴染んできたということなんだろうか。

BNA ビー・エヌ・エー

これは面白い。トリガーの作品って面白いけど肌に合わなくて…ってことが多いけど、今のところこれは楽しめそうなので期待ですね。

天晴爛漫!

(広義の)学園モノじゃないPAの作品って久しぶりに観る気がするけど、すごく続きが気になる。ミアレジのタイアップなのに面白そうだなんて。

ガンダムビルドダイバーズRe:RISE 2nd Season

デス・スターもどきの攻撃から一気に面白くなってきたけど、前から期間が空いてるから割と忘れてるんですよね。
バーチャル世界でのバトルものって、どうしても現実感とか真剣味に欠けるところがあるので、そこに切り込んできたことで楽しくなってきたかな。

ざしきわらしのタタミちゃん

短編枠だから感想と言っても難しいけど、とりあえず、井澤詩織ボイスは唯一無二だよなあ、と。

かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~

いや、マジでこのアニメ面白すぎるでしょ…。配信サイトの配信日が待ちきれなくてAbemaでリアルタイムで観ようと思うこととかあんまりないからなあ。

啄木鳥探偵處

内容はともかく、エンディングの『ゴンドラの唄』が圧倒的なポップアレンジになってるのがめっちゃウケました。全然いのち短くなさそう。

富豪刑事 Balance:UNLIMITED

アンリミテッドって残高がアンリミテッドかよ、っていう。面白そうだけど、これも放送中止なんですよね…。


球詠、かくしごと波よ聞いてくれ、イエスタデイ、ミュークルドリーミー、ていぼう日誌、フルバ、プリコネ、BNA、天晴爛漫、かぐや様辺りが面白そうかな。
あとは安心と信頼のプリチャン3期。2期が良すぎたのでまだまだこれから、といった感じですけどね。アイカツの放送がないのがすごく違和感…。
あとはリスナーズをアマプラで観ないと、くらいでしょうか。結構面白い作品が多いクールだと思います。でも邪神ちゃんの供給が全然足りてない。

ワンパンマン(第2期) ★★★★★★★★☆☆

第13話 ヒーローの帰還

第13話 ヒーローの帰還

  • 発売日: 2019/04/11
  • メディア: Prime Video


シンプルに1期の続き。ダークマターを倒してから、怪人協会との戦い、ヒーロー狩りとの戦い、武術大会が中心でした。
正直言って、2期は1期よりトーンダウンしていたなあ、と。1期のような爽快感がない。面白いのは面白いんですけどね。
怪人協会とヒーロー狩りとの戦いが同時進行で、かつサイタマはその2つとは関係ない武術大会に出場している。どうしてもストーリーがぶつ切り気味になってしまう。
サイタマを欠いたヒーローたちは苦戦続きで、ワンパンでカタルシスを得られると同時にオチるという、自分がこの作品の魅力だと思っているポイントが少なかったのがマイナス。
最後に倒したのもムカデ長老ではちょっと弱いし、1期と比べるとやっぱり落ちるかな、と。キングとの絡みとか、武術大会とか、要所では笑えましたけど。


原作も続いているみたいだし、またストックが溜まったら3期も放送されるのかな?最近ヒーローモノに傾倒している気がしなくもないけど、やっぱり人気作は面白いんだよな。
あと、何でもハリウッドで実写化もされるんだとか。実写には向いてそうだからちょっと興味あるなあ。サイタマ、誰が演じるのかな…。