- 作者:夏目 漱石
- メディア: 文庫
あまり読んだことなかったので漱石の「三部作」がどういう意味でそう呼ばれてるか知らなかったのですが、プロットが同じなんですね
前半読んでいるうちは代助の持論に共感するところも多かったのですが、読み進めるうちに何となく違和感を覚えるようになりました
食い扶持を稼ぐための労働は確かに「精神的」に高度なものではないのかもしれませんが、尊いものであることは否定できませんよね
労働をせずに他人の金で道楽生活をしている代助が理屈をこねてもそれは結局ニートの詭弁になってしまうんじゃないかと思いました
そう思って読んでると「解釈した」とか「帰した」とか「断定した」が一々気になる…お前それ自己完結してるだけちゃうんかと
でも最後数ページで代助が親友家族から絶交されるあたりは恐ろしかったです。自分の欲求に従った末路はこうも残酷なのか…
しかし100年も前に当時の日本の趨勢をここまで捉えているとは漱石はすごい…まるで現代のニートの出現を予見していたかのようだ