大人になんてなりたくなかった。傲慢で、自分勝手な理屈を振りかざして、くだらない言い訳を繰り返す。
そして、見え透いた安い論理で子供を丸め込もうとする。でも、早く大人になりたかった。自分はあまりにも弱く、みじめで戦う手段を持たなかった。
このままでは、この小さな町で息が詰まって死んでしまうと分かっていた。実弾が、欲しかった。どこにも、行く場所がなく、そしてどこかへ逃げたいと思っていた。
そんな13歳の二人の少女が出会った。山田なぎさ―片田舎に暮らし、早く卒業し、社会に出たいと思っているリアリスト。
海野藻屑―自分のことを人魚だと言い張る少し不思議な転校生の女の子。二人は言葉を交わして、ともに同じ空気を吸い、思いをはせる。
全ては生きるために、生き残っていくために―。これは、そんな二人の小さな小さな物語。渾身の青春暗黒ミステリー。
あまりにも薄すぎて帰りの電車内だけで読み終わってしまいました(
冒頭からいきなりなんだこの始まりはみたいな印象でしたが読み終わってみれば上手い構成だったなと思いました。救われないってわかりながら読むのはなんともつらい…
すらすら読めたのでこの作者の文章は人を引き込む力があるなと思いました。わりとすんなりと主人公に感情移入できたのもよかったのかもしれませんが
タイトルだけはよく耳にしてたけどなるほど、これは名作とか言われる類の作品ですね。読んで損はなかったと思います。あと今から考えたらタイトルが結構秀逸ですねw