適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

女の一生


シャナより読みやすかったので…これこのままずるずると読まないパターンじゃなイカ


あらすじを書いておくとジャンヌという貴族の娘が生まれてからの4〜50年間くらいを書いた小説なのですが、なかなかに不幸な人生を送っているんですよね
修道院で幼少期を過ごしてジュリアンという貴族と結婚するのですが、こいつが割とどうしようもないやつで、ジャンヌの家に来た日に女中に手を出して孕ませ
ジャンヌにも結婚初夜から肉体関係を強要する上に、子供が生まれてもほとんどかまうことなく近くに住んでいる別の伯爵夫人と不倫し始めるという…
で、不倫相手の夫である伯爵が激怒して二人を谷底に突き落として殺してしまい、ジャンヌの両親も年老いて死んでしまって孤独になってしまうというわけです
子供はいるんですけどそいつがまたクズで、学校は留年しまくるわ卒業後も金を使い果たしては親にせびるを繰り返すわ、いわゆる放蕩息子ですね


嵐が丘を読んだ時にも思いましたが、こういう壮絶な人生(?)を書物の中とはいえ追体験できるというのはすごく楽しいですよね。直接体験したくはないですがw
個人的に特に印象に残ったのは、主人公であるジャンヌの潔癖性ですね。舞台はフランスの田舎町で、割と品のない住民が多い場所なわけですが、彼女はそれに馴染めない
性的接触も嫌うし浮気も許せないわけです。母親が死んだときに遺品を整理していたら若かりし頃不倫していた証拠を見つけてショックを受けるシーンもありますし
だからと言ってそういうことを避けていては子供ができないということに葛藤するシーンもありました。世間ずれするという世の摂理とそれへの反抗心で揺らぐという…


また単純に、この小説は娯楽小説としてそれなりにレベルが高いと思いました。まさにジャンヌの一生は波乱万丈という言葉が相応しく、怒涛の展開で次が気になります
解説によるとモーパッサンはもともと短編小説が得意で、たまたま日本で有名になったこの長編作品でも短編小説のような急展開が姿を見せるとのことでした
新訳だからというのもありますが、難しいことを考えずに気楽に読めたいい作品だったと思います。勧め…られるような知り合いはあまりいないのが現状ですけどね!