適当な日常を綴る’

万年五月病患者が惰性で書き続けるブログ

この世界の片隅に ★★★★★★★★★☆

例によって近所でやってなかったので、日曜の大会前に見るために朝7時前に起きて家を出ました。完全に電車内では意識が飛んでましたね…
そして本館じゃなくて別館だったのに気付かなかったので本館で発券してから別館まで移動するハメになるというオチまでつきました。方向感覚伊澄さんだし間に合ってよかった
とりあえずいつも通りですがネタバレなので見るつもりがある人は読まない方がいいのかもしれません。でもオチを知ったら面白くないような作品でもないしどうでもいいかも…


もとは1か月ほど前に知り合いに「来月公開の映画ですごいのありますよ!」と勧められて知ったのですが、なかなか都合がつかずにどんどん先延ばしになってしまいました
ネット界隈で異様な持ち上げられ方をしているのが少し薄気味悪かったのと、そんな状態ではいつネタバレを踏んでしまうか怖くておちおちネットサーフィンもしてられないので
体に鞭打って観に行くことにしたわけです。片渕監督作品はマイマイ新子を昔見たくらいの知識しかなく、「多分ジブリアニメに追随するようなもんなのかな…」と思ってました(


昭和初期〜20年代の広島を舞台に、主人公・すずの幼少期から呉の事務官・周作の家に嫁いで戦中を生き抜いていく、言ってみれば半生を描いた作品でした
この年代の広島ということで言うまでもなく原爆投下が展開上出てくるんですが、2時間超の長い尺で語られるため、そこまで原爆に焦点が当たってはなかったですね


ちょっと話が逸れますが、自分は所謂「戦争映画」ってあまり得意ではないんですよね。それこそ自国を美化するプロパガンダ的要素が入ったアメリカ映画とか、逆に戦争の悲惨さを
強調して泣かせにかかる日本映画とか…訴えかけるものが強すぎると押しつけがましく感じて、自分が感想を持つ余地が狭まるというか…うーんうまく言語化できない(ボキャ貧


その点、この作品はそういう押しつけがましさがなかったのが良かったです。主人公が天真爛漫な*1のと、悲しいシーンでも常に「笑い」のシーンが用意されているのが大きかった
そういう意味では、意図してかせずかは知りませんがのんをキャスティングしたのは適材適所だったのではないでしょうか。実際「これ演技してなくね?」とか思うことが多々…w
絵柄がとても柔らかい、温かみを感じるタッチだったのもあるのかもしれませんね。逆にだからこそ怪我をしたシーンとか原爆のシーンとかはギャップで恐ろしいものを感じました(


場面が切り替わるたびに「19○○年 ○月」って出てくるので、いつ1945年の夏になるのかと気が気ではありませんでした( この楽しい日常がいつになったら地獄へ変わるのか、
と思いながら見ていると何気ない日常のシーンが愛おしく思えてしまうし、常に緊張感があって目が離せない。日本人の常識を利用した上手い演出だと思いました


テーマとして自分が感じ取ったのが、リンがすずに言った「この世界に居場所はそうそう無うなりゃせんよ」という言葉ですね。空襲に遭って体が不自由になっても、更には
原爆で家族を失っても、それでも世界のどこかに、“片隅”にでも居場所はあるし、生きていくことができる。戦争という重い題材から出た普遍的なテーマではないでしょうか
純粋に、疑うことなく家族を信じ、国を信じて家を守るために必死で苦労したすずだからこそ、玉音放送を聞いて価値観の崩壊に涙したんですよね。印象的なシーンでした


声優オタクなので声の話をしますが、やっぱりほそやんの広島弁は最高ですね。西日本の方言ならなんでもできるイメージすらありますが、やっぱり出身だし板についてるのかな…
あと自分が好きな新谷の1人*2である新谷真弓さん。いつものあの独特な演技でなく、とてもナチュラル(失礼)な芝居で驚きました。こういう引き出しもあるんだな…


戦争映画にありがちな泣けるとか泣けないとかいう次元で語る作品ではなく、圧倒的な情報量や風景の描き込みでシンプルな人間讃歌を描く、よくまとまった傑作だと思いました
自分みたいに戦争映画はちょっと押しつけがましくて…と敬遠している人にも勧められる作品だと思います。というわけで見てください!(結局いつも通りシャクティになる

*1:割と行きすぎててヤバいのでは?と思わせるシーンもありましたが

*2:言うまでもなくもう1人はりょーこ