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幸福について

幸福について (光文社古典新訳文庫)

幸福について (光文社古典新訳文庫)

こじらせた学生が好きそうな(偏見)ショーペンハウアーですが、新訳がすごく読みやすいし元々毒も薄めなので楽しく読み終えることができました。
人間の要素は「人格」「所有物」「他人からの印象」の3つに帰着され、そのどこに「幸福」を見出すか、というところで、結局は「人格」なんですよね。

「内面の空虚さをごまかすために社交的になる」とか、一見すると厭世的なことも多く書いてあるため、特に若い頃に下手に読んでしまうと、変な拗らせ方を
してしまうような気がしました。ただ、こういう本って若い時に読まなかった人が大人になってから読むことってあんまりないような気もする。難しいですね。
自分のモットーとする人生哲学にもそれなりに適合するところは多かったし、主観、つまり気の持ちようで世界への印象が変わる、というのは確かにその通りだと思うので
心をうまくコントロールして幸福に過ごしていきたいな、と…。「自分自身のなかに幸福を見つけるのは至難の業であり、他の場所で見つけることは不可能である」。至言ですね。