- 1.『アイドルタイムプリパラ』 第42話 「ディア・マイ・トモダチ!」
- 2.『宇宙よりも遠い場所』 STAGE05 「Dear my friend」
- 3.『りゅうおうのおしごと!』 第7局 「十才のわたしへ」
- 4.『ヒナまつり』 第6話 「新田さんの父親はダンディ」
- 5.『シュタインズ・ゲート ゼロ』 #08 「二律背反のデュアル」
- 6.『ヲタクに恋は難しい』 #11 「ヲタクに恋は難しい」
- 7.『アイカツフレンズ!』 第20話 「ラクロスorフレンズ!」
- 8.『ヤマノススメ サードシーズン』 第10話 「すれちがう季節」
- 9.『風が強く吹いている』 第6話 「裸の王様」
- 10.『やがて君になる』 第6話 「言葉は閉じ込めて/言葉で閉じ込めて」
- 次点(入れるか迷ったエピソードを10個)
- 総括
ルール
・2018年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。
2010年、2016年、2017年とやったので、今回が4回目ですかね。新米小僧の見習日記さんの恒例企画に今年も乗っからせてもらうことにしました。
去年はもっとアニメ見たいって書いてたのに、結局今年も全然見ていないっていう…。来年こそは。順位は付けないので、大体放送順に並べたはずです。割と適当ですけど。
1.『アイドルタイムプリパラ』 第42話 「ディア・マイ・トモダチ!」
友達だと思っていたガァララが、実は他の子の夢を奪っていて、自分は知らず知らずその手助けをしていた…と気付いてショックを受けたしゅうかが、ガァララと喧嘩してしまうエピソード。
ガァララにとってみれば、夢を奪うのは活動するために必要なことで、でもしゅうかには絶対に嫌われたくない。しゅうかが価値観の中心にいるわけで、プリパラが謳う「みんなトモダチ
みんなアイドル」から見たら異質な存在かもしれないですね。そんなガァララが、ライブを機にしゅうかと仲直りし、「夢を奪うのをやめる」という選択をしたのは、決して盲信ではなく
ガァララなりの「トモダチ」を真の意味で見つけられた、ということではないでしょうか。この辺はガァララ役のともよちゃんの演技力に依るところも大きいと思いますが…。
そしてこの2人が和解するきっかけとなったのが、しゅうかの姉である神アイドル・『ディアマイフューチャー』のみあのライブ。『アイドルタイム』自体も、前作『プリパラ』の
キャラクターが度々登場していますし、現在放送中の『プリチャン』にも、初代のヒロイン・あいらが登場していますよね。こういうのはシリーズを重ねた作品の強みなんだろうなあ。
このエピソードは2人の和解以外にも、ガァララに対する解決策をどうするか、というシーンにおいて、ゆめとしゅうかの対比が分かりやすくて良いな、と思いました。今作のテーマは
「夢」だと思うのですが、この2人は理想を追うか、それとも現実を見るか、というバランスがとても対照的で面白い。ゆいなら何でも実現させそう、って思わせられるパワーを感じる。
2.『宇宙よりも遠い場所』 STAGE05 「Dear my friend」
奇しくも上で挙げたエピソードとタイトルが同じということに気付いてしまいました。作品も全然違うし選んだ時全然意識してなかったのに…面白い偶然ですね。
5話は主人公・キマリの幼馴染である、めぐっちゃんとの関係性が描かれたエピソード。自分の後ろを付いて来ていたキマリが南極に行くという目的を見つけたことで、置いていかれるような
気持ちと嫉妬が綯い交ぜになっためぐっちゃんが、「歌舞伎町で男と遊んでいる」とか密かに悪い噂を流してしまうも、キマリに依存しているのは自分の方だと気付いためぐっちゃんが
出発の日の朝に「絶交しに来た」と会いに来て全てを告白する…という衝撃的な回でした。友人関係とは何なのか?そこに打算はないのか?を考えさせられる、とても示唆的なお話。
『よりもい』では4人の友情が描かれている、というのはもちろんその通りだと思いますし、自分も単純に好きなのは10話や11話みたいな4人の絆がストレートに感じられる回なんですが
最終話、「キマリ離れ」をしためぐっちゃんが北極、つまり南極から最も遠い場所に行っていた、という終わり方を見ても、この作品において「めぐっちゃん」というキャラクターが
果たした役割は大きいと思うんですよね。だから1つだけ選ぶならやっぱり5話かな、と。友情を鮮やかなコントラストで逆説的に描き出す、印象的な回でした。2018年を代表する名作。
3.『りゅうおうのおしごと!』 第7局 「十才のわたしへ」
天才棋士の八一に天才幼女のあいちゃん…銀子の言葉を借りれば「将棋星人」がひしめくこの作品において、だからこそ目を引いたのが「地球人」である桂香さんでした。
幼い頃から将棋に触れてきた桂香さんが、研修会の年齢制限が迫り、女流棋士への夢を諦めなければならなくなるかどうかの瀬戸際に立たされ、一回り年齢の違う銀子に頭を下げたり
棋譜を勉強して模倣してみたり…と必死にもがく様子が描かれているのがこの7話。タイトルは桂香さんが二十才の自分に宛てて書いた手紙へのアンサーなんですね。泣けるエピソードでした。
『SLAM DUNK』でメガネ君が人気なのとか正にそうですけど、“努力する凡人”は刺さりやすいテーマですよね。ロリキャラのイメージで敬遠されがちですが、良い作品だったと思います。
4.『ヒナまつり』 第6話 「新田さんの父親はダンディ」
コメディタッチの日常で笑わせてくるかと思えば、家族愛エピソードで泣かせてくる、人情ギャグアニメの魅力が2話仕立てでよく出ているのが6話。前半は新田がヒナを家族に紹介して
色々ごまかそうとするけど結局酒が入ってグダグダになってしまう話。アリの行列にビールをかける外道な妹が良いキャラしてる。からの後半、アンズとホームレスとの別れ、そして
来々軒での新しい生活を描いたエピソードの落差がすごすぎて完全にやられてしまいました。変化量7のフォークボールかよ。石田燿子さんの特殊EDもズルい。いい最終回だった。
5.『シュタインズ・ゲート ゼロ』 #08 「二律背反のデュアル」
原作ゲームや7年前に放送された前作のアニメにおける伏線を数年越しに回収し、更には劇場版の内容のオマージュにもなっているという、とんでもない構成に度肝を抜かれたエピソード。
オカリンが本編でβ世界線に入れたのは、紅莉栖が「ハイルナ」のメールを自分自身に向けて送ったから。もしそうしなければ、このまま、まゆりが死ぬα世界線に居続けるけれども
α世界線でのオカリンが心を病んでしまったことを8話の世界線の紅莉栖は知っているからこそ、最後に自らが死ぬβ世界線に移動できるよう、自らの死を厭わず、自身にDメールを
送った…なんか書いててちょっと混乱してくるな( 『ゼロ』自体は、本編に比べると性質上地味でしたが、このエピソードは良かったですね。シュタゲアラームのアプリ、絶賛使用中です。
6.『ヲタクに恋は難しい』 #11 「ヲタクに恋は難しい」
難しいとか書いてるけどすぐ付き合うし、全然難しくないやんけ!とか、ネットスラングをリアルで使うの寒…とか、そもそもこいつらオタクか?とか、色々見てて思うところはあったんですが
見ていて、「あ、これ面白いこと言ってる」と思ったのが最終話、メインの2人ではなく樺倉と小柳の会話でした。小柳が勧めた漫画を樺倉が読んでくれないことを不満に思い、「二藤君は
勧めたらチェックして感想までくれるんだって」と言うシーン。「あんたは「好き」を軽々しく使いたくないし、感想を共有するより一人で浸りたいタイプって分かってるつもりだけど…」と
小柳が樺倉に言うんですよね。でも「好き」を共有したい、と。現代のオタクって他者との意見交換や共有を志向するタイプと、自分一人で浸っていたいタイプに分かれると思うのですが
バリバリの後者を自認する自分としても、知識を深め、気付きを増やしていくためには独りよがりになっていてはいけないな、と感じたエピソードでした。ヲタ恋で内省をするオタク。
7.『アイカツフレンズ!』 第20話 「ラクロスorフレンズ!」
今作のアイカツの特徴として「2人1組が基本単位」という点が挙げられると思うのですが、そこから必然的に生まれる「個を貫くべきか?パートナーに合わせるべきか?」という悩みを
真っ向から描いたのがこの20話。スターハーモニーカップで負け、どうにかしないと、と焦るエマが、ラクロス部の退部届を出してアイカツ一本に集中しようとするのを、パートナーの舞花が
止める、というエピソード。「何かを変えるっていうのは、何かを捨てることじゃない」というセリフが素晴らしい。逆に、舞花が中心となる第23話の「叫ぶ、瞬間」とも迷いましたが…。
舞花がモデル一本でもいけるのでは、と提案された時に、エマに「やりたいことがいっぱいあるなら、全部やっちゃえばいい」と言われた回想とかズルすぎますよね。ベストパートナーかよ。
他にも「ひとりでもフレンズ」「伝説の101番勝負!」とか、フレンズの関係性に切り込むエピソードは良い。何かのために他を犠牲にしない。言葉にすると陳腐だけど大切なテーマ、好きです。
8.『ヤマノススメ サードシーズン』 第10話 「すれちがう季節」
1期が5分枠だったこともあり、自分の中ではこのシリーズはご飯を食べながらダラダラ見る、くらいの位置づけで、続きだしとりあえず見ておくか、くらいのつもりだったのですが、3期は
中盤からあおいとひなたの関係性にスポットが当てられ、とても「重い」アニメでした。キャラデザはむしろ幼くなったのに恐ろしい子…。本当に作品ナメててごめんなさい、という気持ち。
というわけで、あおいとひなたのすれ違いがはっきりと現れた10話。引っ込み思案なあおいをいつも先導していると思っていたあおいが、ひなたが別の子達と一緒に楽しく遊びに出かけて
いるのを見かけて、何故か胸がモヤモヤする。夕暮れ時の飯能市の情景と相まって、非常に印象深いエピソードでした。正に、上で書いた『よりもい』のキマリとめぐっちゃんの関係性に
通じるところがあるんですよね。自分の感受性が単純に低すぎて気付いてなかっただけなのかもしれませんけど、ヤマノススメ、こんなにエモーショナルな作品だったんだな、と…。
9.『風が強く吹いている』 第6話 「裸の王様」
6話は就職活動が上手くいかずに苦しむクイズ王のキング(坂口)にスポットを当てた回。もうこのあらすじが既に辛い。寮のみんなで箱根駅伝を目指す、という無謀な挑戦についていけず
また自身の就活の進捗も芳しくないことからイライラし、仲間に当たってしまうキング。見ていて痛々しい…。「就職できなかったら責任取ってくれるのかよ!?」っていうキングの言葉には
かつて受験と部活動を天秤にかけて悩んだ自分を見るようで、とても他人事には思えませんでした。「強制されるより、自分から望んでやったほうが楽しい」「本気になってやってみたら
好きになれるかもしれない」神童がキングを諭す言葉を聞いていると、結局大切なのは事実そのもの以上に、事実のとらえ方なんだな、と改めて思いました。2クール目も楽しみな作品です。
10.『やがて君になる』 第6話 「言葉は閉じ込めて/言葉で閉じ込めて」
あおきえい氏の絵コンテ回。クレジットを見てマジか…ってなりました。石段を渡り始めてから「死んでも言われたくない」まで燈子の顔を映さない演出。アニメってすごいな…(小学生並の感想)
前半は侑と沙弥香が燈子について火花を散らすエピソード。二人とも燈子を大切に想っていながら、燈子を変えたいか、燈子と変わりたいか。その違いから立場を違えてしまうんですよね。
このエピソードに限らず、この作品は劇伴の使い方がとても上手いと思います。音楽がないシーンが割と多く、そのおかげで作品が持つ「間」が感じられるのが良い。
燈子に何も言わず、気持ちを閉じこめる沙弥香と、「好きにならない」と伝えることで気持ちを閉じ込める侑。そして燈子が閉じこめている想い。6話には作品のエッセンスが詰まっていますね。
次点(入れるか迷ったエピソードを10個)
・『三ツ星カラーズ』 #4 「なつまつり」
・『ゆるキャン△』 第5話 「二つのキャンプ、二人の景色」
・『宇宙よりも遠い場所』 第10話 「パーシャル友情」
・『ハクメイとミコチ』 第11話 「夜越しの汽車/雨とテンカラ」
・『魔法少女 俺』 第5話 「魔法少女☆旅行中」
・『多田くんは恋をしない』 #8 「雨女だったっけ?」
・『キラッとプリ☆チャン』 第16話 「心の迷いを抜けてみた!」
・『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』 第6話 「ふたりの花道」
・『SSSS.GRIDMAN』 第9回 「夢・想」
・『ゾンビランドサガ』 第9話 「一度は尽きたこの命 なんの因果か蘇り 歌い踊るが宿命なら 親友への想いを胸に秘め 貫くまでよ己のSAGA」
総括
この1年は印象に残ったエピソードをその都度メモに残してたので少し楽でした。選ぶ過程で見えるものもあるからこの企画は楽しい。しかし似たようなテーマの話ばかりで笑うなーw
ただ、これ去年も書きましたけど、作品単位と話数単位では顔ぶれ変わりますよね。作品単位なら『ヲタ恋』とかまず入らないし(笑)、今年なら『プラネット・ウィズ』は入れたいですね。
他にも、今年は『若おかみは小学生!』を始めとして、『リズと青い鳥』『さよ朝』『のんのんびより』『みんなの物語』等々、面白いアニメ映画が多い年だったように思います。
今年は転勤という波乱があったし、来年もどうなるかわかりませんが、なるべく時間を作って多くの作品に触れていきたいですね。特に過去作をしっかり見ていきたい。