適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

ぼくのメジャースプーン

忌まわしいあの事件が起きたのは、今から三ヵ月前。「ぼく」の小学校で飼っていたうさぎが、何者かによって殺された…。
大好きだったうさぎたちの無残な死体を目撃してしまった「ぼく」の幼なじみ・ふみちゃんは、ショックのあまりに全ての感情を封じ込めたまま、今もなお登校拒否を続けている。
笑わないあの子を助け出したい「ぼく」は、自分と同じ力を持つ「先生」のもとへと通い、うさぎ殺しの犯人に与える罰の重さを計り始める。
「ぼく」が最後に選んだ答え、そして正義の行方とは。


序盤、飼育小屋のうさぎが虐待され、惨殺されるシーンで気持ち悪くなりました。動物自体は苦手だけど、動物虐待の描写も無理だわ…。文章力がすごいと言うべきか。
中盤は「道徳の教科書か?」と思うほど、罪と罰についての問答が続く。興味深い内容ではあるけど、正直「これ小説なのか?」と思ってしまった。「ぼく」が賢すぎるだろ。
「ぼく」の特殊能力として描かれているけど、言葉のナイフが相手を傷つけること自体は現実でも当たり前のように起こることなんですよね。無自覚に切れ味鋭い人、いるからな…。


『凍りのくじら』に登場したふみちゃんが出てきたり、『子どもたちは夜と遊ぶ』の秋先生の行動の謎が解けたり、月子たちが登場したりと、スターシステムはやっぱり楽しい。
次は『名前探しの放課後』ですかね。今作は特に、対象年齢が中高生だなと感じてしまったなあ。面白いんだけど、絶対若い頃に読んだほうが感銘受けただろうな。