適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

子どもたちは夜と遊ぶ

ここ数年ずっと、この時期になると模試の記事がアクセス数上位になっているのを見て笑ってしまう。
ちょっとくらい人よりお勉強が得意でも、それから15年もアニメを週に何十本も観続けていたら行き着く先はここなので、ネットサーフィンやめて大人しく勉強しろよな!


始まりは、海外留学をかけた論文コンクール。幻の学生、『i』の登場だった。
大学受験間近の高校3年生が行方不明になった。家出か事件か。世間が騒ぐ中、木村浅葱だけはその真相を知っていた。
「『i』はとてもうまくやった。さあ、次は、俺の番――」。姿の見えない『i』に会うために、ゲームを始める浅葱。
孤独の闇に支配された子どもたちが招く事件は、さらなる悲劇を呼んでいく。


大雑把に言えば、連続殺人と恋愛のお話。比較的優しい物語ばかり読んでいたので、登場人物が次々に殺されていくのにはちょっと面食らう。
θの正体、結構力技だな…と思ってしまったけど、辻村作品って、トリック?自体はいつも結構力技だしな。でも、2人の関係の叙述トリックには全然気づかなくて、してやられました。
そんな気づかないことある?って思うけど、実際、自分も似たような勘違いをしていた経験があるのでなんとも。一旦親しくなると、逆に聞き出せないことってあるんだよな。


高校生時代から書き始めていたらしく、そう言われると確かに荒削りな部分は多いけど、その粗さが作品の悲惨さと相まって、痛々しい魅力を持った作品でした。
語弊を恐れずに表現するとやや厨二病チックなので、浅葱は然るべき償いを受けるべきでは…と思わなくはないけど、境遇もあるしな。でもそれは理由にならないから…。
そして、恋愛って…というか恋愛に限らずですが、人間関係ってタイミングですよね。あのタイミングで会ってなかったら親しくなってないだろうな…みたいな。


さて、次は『ぼくのメジャースプーン』らしい。ホント、スラスラ読める…というか、伏線回収の勢いがすごいのでどんどん加速していくのが楽しいですね。