愛情深い性格ゆえに、これまでの人生、ダメ男ばかりを引き寄せては、何度もだまされてきた母・肉子ちゃん。
とんでもなく豪快で、子どもみたいに純粋な母に比べて、しっかりもので大人びた性格の小学5年の娘・キクコ。
ふたりは肉子ちゃんの恋が終わるたびに各地を放浪し、北の漁港の町へと流れ着く。
漁港で途方にくれる母娘の胃を満たしたのは、一軒の焼き肉屋「うをがし」の焼肉だった。
妻に先立たれ、店をたたもうとしていた店主・サッサンは、目の前に現れた肉子ちゃんを”肉の神様”だと思い、「決しておなかを壊さないこと」を条件に肉子ちゃんを雇いいれる。
こうして、サッサンが所有する漁港の船を住処に、肉子ちゃんとキクコの新しい生活が始まった……!
公開当時気になっていたけど、観に行かずじまいだった作品がプライムに来ていたので。
冒頭から独特なアニメーションで肉子ちゃんの生い立ちが描かれ、漁港に着いてからの前半はキクコの小学生女子特有の悩みが中心に描かれる。
女性同士のナワバリバトル、ここ最近小説でも似たような話を読みすぎて食傷気味だけど、やっぱり大変だよな。自分だったら上手く立ち回れた気がしない。
最初はマリアちゃんに同情しているのか?と思ってたけど、二宮にクラスの状況を説明している間に自分の気持ちに気づくシーンは良かったな。良い子すぎる。
二宮のチック症は明言されなかったけど、ヤモリや神社が喋るのもファンタジーだと思ってたらキクコだったし、肉子ちゃんも含めて「グレーゾーン」の人の話だったのかな。
父親の話が明らかに伏せられていたので、何かあるんだろうなとは思っていたけど、後半はやっぱり…という感じ。感動より「身勝手だな…」が若干勝ってしまった。
過程がどうあれ、結果的には肉子ちゃんみたいなちょっと頭の弱い人の善意につけ込んだわけだしなあ。あれだけ良い子に育ったからこそ美談になってはいるけれど。
でも、サッサンとキクコとの対話シーンは感動しましたね。「子供らしさは大人の幻想」、その通りすぎる。まあ自分は当時から特に内面が成長してないだけともいう。
アニメーションはかなり独特かつ綺麗だったんですが、ジブリ…というか、『トトロ』のオマージュは何だったんだろう。バス停のシーンとか笑ってしまった。
ジブリと同じくらい食べ物が美味しそうで、ミスジ、久しぶりに食べたくなりました。最近毎日グラム70円の胸肉とささみしか食べてないんだよな…。