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明朗・潑溂・無邪気なブログ

僕のヒーローアカデミア(第2期) ★★★★★★★★★★

第23話 轟焦凍:オリジン

第23話 轟焦凍:オリジン

  • 発売日: 2017/06/04
  • メディア: Prime Video


休日に家にいるとアニメ視聴が進みますね。というわけで、最近はずっとdアニメストアでヒロアカを観ています。
普段使いしているのがバンダイチャンネルなので、dアニメは過去作品を一気観する時くらいしか使わないのですが、最近は結構お世話になってますね。


大まかに言うと、2期は前半の1クールが体育祭、2クール目の前半がヒーロー殺しステインとの戦い、2クール目の後半が期末試験、という感じでした。
とにかく、2クールずっと盛り上がりっぱなしで、息付く暇もない。面白すぎて一気に観てしまいますね。


2期はデクももちろんなんですが、轟や爆豪、お茶子や飯田、八百万、果ては峰田に至るまで、ヒーローとしての矜持や、葛藤を乗り越える様子が描かれているのがとても良い。
この尺があるからこそではありますが、掘り下げがきちんとなされているので、どんどん作品に引き込まれていくんですよね。贅沢なアニメだな、と思います。
作画もすごいので能力バトルものとしても楽しめますし、能力の成長に合わせてキャラも成長していく様子も楽しめる。加えて、その様子を楽しめるA組の生徒の数も多いし。
敵となる死柄木も、最終話で何を目的にするか気づく展開は良かったですね。ヒーローものって、「正義とは何か?」という命題は避けて通れないと思っていて。
ヒロアカは個々人や勢力ごとの正義のあり方を丁寧に描写しているのがポイント高い。ボンズのアニメも結構長いこと観てるけど、最高傑作では?ホスト部超えたかもな…。

2019年度冬クールアニメ総括1

遅く帰ってきてご飯を食べて寝るだけの季節が来てしまい辛い。…でも、今年は自粛ムードだからみんなに比べて自分は…ってなりにくいだけマシかも。
さて、ぼちぼち観ていた作品が終わり始めたので、例によって少しずつ。

ラディアン 第2シリーズ

4クール弱かけて描いたセトの成長。一本筋が通っていて、王道なファンタジーとしてクオリティが高かったです。
ただ、2期は勢力が多すぎて、1期の特に後半で描かれていた差別と排斥について掘り下げきれなかった印象。原作のストック的に続きはないだろうなあ。

魔入りました!入間くん

決してつまらなくはなかったけど、コメディ、ストーリーライン、キャラクター、様々な面において今ひとつというか、インパクトがちょっと弱かったかなあ。
特にストーリー、キリヲ絡みにこんな尺を使って、後半のクライマックスに持ってくるほどだったのか…?原作は知らないけど、上手いこと取捨選択しても良かったのでは。

ダーウィンズゲーム

能力バトル+デスゲームという手垢ジャンルでしたが、決して強くはない能力を使って、どう敵を倒すか、そして増えた仲間との連携。
キャスト陣も良い演技だったし、ベタでもちゃんと面白ければそれが一番なんですよね。なんか最後にいきなりイキり無双みたいな終わり方だったのは驚いたけど。

へやキャン△

良くも悪くも、次との繋ぎだったのかな、と。へやとか言うけど割とずっと外出てたよな…?

群れなせ!シートン学園

端的に言うと、萌え要素を足した面白いけものフレンズ。ここ数年、博史池畠監督作品はハズレがないですね。動物に関する豆知識が結構入ってて、勉強になりました。
木野日菜小原好美久野美咲田村ゆかり齋藤彩夏金田朋子まで、特徴的な声の声優さんが多く起用されていて、声フェチにはかなりポイントの高い作品でもありました。

うちタマ?! ~うちのタマ知りませんか?~

異世界あり、ラップあり、人情噺あり。なんでもありの自由空間でしたね。作画も安定してたし、毎回変わる主題歌も楽しみだしで、毎週配信が待ち遠しかったです。
…まあ、15分くらいの枠でも良かったのでは?という気はしないでもないですが。ノイタミナにしてはとっつきやすい作品だったんじゃないかな。

理系が恋に落ちたので証明してみた。

kaitopoketto.hatenablog.com

id:INVADED イド:インヴェイデッド

とにかく話が分かりづらい。頑張って理解しようと思えるほど面白いとも思えなかったし、自分に合っていない作品だったのかも。…まあ、薄々分かってたけど。
独創的な設定に見合う中身だったとはどうしても思えないんだよなあ。飛鳥井木記がミヅハノメで、いつか救う人が来る、ってオチとして弱くない?後味が悪いぜ!(別作品)

ソマリと森の神様

世界観が良い。人間が迫害されている世界だけど、実は人間もかつて他種族を迫害していた、と。それでも、個人間のレベルにおいては親愛の情が生まれる。
6話辺りのウゾイ絡みのエピソードなんかはかなり良かったけど、あの最終話は結局、ゴーレムがソマリと最期まで一緒にいることを選んだってことですよね。
原作がまだ続いているなら仕方ないけど、あの後に待っているのは一種のバッドエンドな気がするんだよな…。あ、柴田理恵の演技はめっちゃ良かったです。

アイカツオンパレード!

あとで個別に書きたい。…ってフレンズの時にも書いて結構放置してたけど。


まだ配信が最後まで終わっていない作品も結構あるので、全部観終わったらもう一回更新することにしますかね。
総じて、ものすごく好みな作品はなかったけど、及第点以上の作品は多かったかな。冬クールで見たら、昨年以上一昨年以下といったところでしょうか。

『キラッとプリ☆チャン』第100話の "優しいウソ”


急に忙しくなってしまい、帰宅して泥のように眠る日々が続いていました。今週が3連休で良かった。しばらくは更新頻度が下がるかも…。
別にここも一部の友人以外、誰が見てるわけでもないだろ、という話なので、更に読んでくれている人が観ていなさそうなプリチャンの話をしていきたいと思います。
自分はプリチャン第2シーズンは超面白いアニメだと思っているので、何故観てないの??と言いたいくらいなのですが。今ならYoutubeで2期を無料配信してますよ!!


…とまあ、それは置いといて。今週配信された第100話「お願い、ダイヤモンドコーデ! 届け、私たちの思い!」を観て、色々思うところがあったので書き残しておこうかと。
感想を残すのは割と好きだけど、単話の感想を書こうと思うのは結構珍しく、前に書いたのがプリチャンの77話。まあ、それだけエモい…いや、えもいアニメだということなんですよね。


kaitopoketto.hatenablog.com


第2シーズンの実質的な主人公である虹ノ咲だいあ(以下「虹ノ咲さん」)と、虹ノ咲さんの唯一の理解者であり、友達でもあった、バーチャルアイドルのだいあ。
だいあが虹ノ咲さんを支え、後押しして、77話でだいあの姿を借りてアイドルデビュー、89話で遂に虹ノ咲さん本人もデビューを果たす。両方今シーズンを象徴する名エピソードだと思います。


そして、虹ノ咲さんがみらいや他のプリチャンアイドルと仲良くなった結果、皮肉にも「唯一の理解者であり友達」だっただいあの居場所が奪われてしまった。
結果としてだいあは黒ギャル化してしまい、99話では虹ノ咲さんとみらいの絆を目の当たりにして黒いオーラの中に閉じこもってしまいましたね。
『フレンドパスワード』で「あなたが欲しいもの 全部あげるよ」と歌い、アイドルデビューして皆と友達になった虹ノ咲さん。
それに対し、「あなた(虹ノ咲さん)が欲しいもの 全部あげた」ことで、居場所を失ってしまっただいあ。観ていて、末恐ろしいアニメだな…と思っていました。


100話は、閉じこもってしまった黒だいあの元に、みらいと虹ノ咲さんが2人で乗り込み、新曲『MEMORIES FOR FUTURE』を披露。2人で説得して黒だいあが元に戻る。というものでした。
演出自体はとても感動的だったんですが、理屈で考えるとちょっと引っかかるところがあって。もしかして、これは考え方によってはとても残酷なことをしているのでは?という。
つまり、「虹ノ咲さんを後押ししたことで、唯一の理解者という立場が奪われた」だいあに、言うなれば、居場所を奪った張本人であるみらいと、虹ノ咲さんとのライブを見せつける。
語弊を恐れずにざっくり言えば、元カノと別れて落ち込んでいたら、元カノが今の彼氏を連れてきて幸せアピールをしてくるようなものではないか。いや、心折れるでしょ、と。


実際、新曲を歌ったことで、その力で浄化されてハッピーエンド!…なんて展開になるはずもなく。
曲を聴いただいあは「だいあの友達になるために生まれたんだよん」「でも、もうだいあには本当の友達がたくさん出来ちゃったんだよん」「だいあはもう必要ないんだよん」*1
…と、悲痛な胸の内を吐露するわけですよ。辛い。「そこにいるのにここにいない」をキャッチコピーにしていただいあが、そこ(虹ノ咲さんの隣)にいられないという悲劇。


それに対し、みらいは「確かにだいあちゃんと触れ合えないかもしれない。でも、心は触れ合えるよ」と、
虹ノ咲さんは「だいあは皆と一緒にプリチャンしてきたじゃない。プリチャンで心がつながったなら、だいあは友達だよ」と伝え、黒だいあが元に戻る。


どう表現するべきか難しいのですが、この2人のセリフだけで元に戻るのは、ちょっと軽いのではないか。だいあの苦悩は、本来もっと根が深いところにあったのではないか。
事実としては、「一緒にプリチャンしてきた」けど、だいあは自分の存在意義が希薄になっていくことに耐えきれなくなってしまったわけで。慰めでしかないのでは、と思わなくはない。


でも、結果として黒だいあは元に戻った。それほど、だいあにとって、皆と一緒にプリチャンをしてきた今までの積み重ねは価値のあるものだった、ということなんですよね。
本当に「心がつながったら友達」なのか?と考えると、そうではないかもしれない。それでも、それを信ずるに足るだけの経験を、だいあはプリチャンアイドルたちと重ねてきた。
そもそも、本質を全て詳らかにし、真実に気づくことだけが正解ではない。桃山みらいというキャラクターはむしろ、適切な距離感を保った上で、他人を丸ごと愛せる主人公だと思っています。
だからこそ、みらいと虹ノ咲さんの「優しいウソ」が、だいあを救ったのであれば、それは決して悪いことではないのではないか。自分はそういう風に受け止めました。



…さて、そんなこんなで色々と書きたくなるくらい面白いエピソードだったのですが、公式サイトの次回予告を見てみたら

第101話「だいあが守る! みんなのプリ☆チャン! だもん!」
だいあを救出した一行だったが、こっそりと逃げたバグッ虫の1匹がプリ☆チャン衛星を乗っ取り、なんとキラ宿に向かって落下をはじめる。
食い止めようとするめが姉ぇとだいあだったが、バグッ虫が衛星のセキュリティを乗っ取ったことで、ヴァーチャルアイドルであるだいあですら近づけなくなってしまった。
プリ☆チャンアイドル達はキラ宿の危機を回避できるのか!?


なんで急に逆シャアアルマゲドンみたいな展開になっているのか…。フェニックス仮面もそうですけど、真面目な話もギャグもどっちも面白い、懐の深さが魅力なんですよね。
第3シーズンがどう展開していくのか、これからも目が離せない。引き続き毎週の配信を楽しみにしようと思います。プリチャンの行く末を見届けるまでは頑張って生きねば。

*1:このセリフ内の「だいあ」は虹ノ咲さんのことです、念のため

ちっちゃな雪使いシュガー ★★★★★★★★☆☆


一昨日、dアニメストアの新規配信作品一覧を眺めていたら、ラインナップにこれを見つけました。
アニメファンの間で人気があることは知っていたのですが、本編に触れる機会がなく。どうせ一日部屋にいるし…と10時間くらいぶっ続けで、2クールを1日で観終えました(
主題歌の『Sugar Baby Love』は昔から大好きでよく聴いてたんですけどね(むしろ、当時はカバー曲のカバー曲だということを知らなかった)。

暖かな春の風
まばゆい夏の日差し
物憂げな秋の夕焼け雲
軽やかに舞う冬の雪......


四季によって、色とりどりの顔を見せる自然の風景。
実は、それらは「季節使い」と呼ばれる妖精たちが司っているのです。


風を操る「風使い」
太陽の日差しを操る「太陽使い」
雨を操る「雨使い」
そして、雪を操る「雪使い」など......


みんな、自然現象を自由に操ることが出来る妖精の一種なのです。


見習い「季節使い」たちは
早く一人前になるために一生懸命勉強しています。
妖精の中でもっとも難しい職業である「季節使い」を目指す彼らは
修行の一環として、人間界で暮らしながら
「きらめき」を探し、『魔法の花』を育てなくてはなりません。
しかしそんな彼らを人間たちは誰も知りません。
人間は彼らの姿を見ることが出来ないのです。


そんな見習い「季節使い」たちが
人間のサガたちが住む街にやってきました。


公式サイトのあらすじを引用。ミューレンブルクに住む11歳の少女・サガが、ある日、自分にしか見えない妖精・シュガーと出会う、というもの。
設定は引用した通りなんですが、シュガーや仲間の妖精見習いたちが、「きらめき」を探して魔法の花を育てる、というのが大まかな話の流れになっています。
面白いのが、「きらめき」とは何か?という点について、最後まで作中で明言されないところ。それでも、観ていれば何となく分かるような構造になっているんですよね。


サガは、ピアニストの母親を3年前に交通事故で亡くし、祖母と暮らしている、という設定で、この設定が最初から最後までストーリーに深く絡んでくる。
母親の楽譜にシュガーが文字を書いてしまって喧嘩したり、形見のピアノがクラスメイトのグレタの家に売られてしまったり…。
優等生であろうとするサガは、実際に優秀なんですが、一方で自分を追い詰めすぎる傾向があって、しばしば(主にシュガーと)衝突していましたね。
最終的に、亡き母への執着から良い意味で解放されたのは綺麗な終わり方でしたね。シュガーとの別れは悲しかったけど、前向きなエンドだった。


全編を通して、とても丁寧な作りで、とても深夜アニメとは思えなかったですね。NHK教育で放送できるのでは?結構訓話的なエピソードが多かったと思いますし。
キャラデザがコゲどんぼなので少しオタク臭いですが、それこそ『ぴたテン』とか日曜の朝にやってましたしね。キャラといえば、作画もかなり安定していたと思います。
反面、ものすごく劇的な展開、というものはあまりなかったので、ドラマ性を求める人には合わないかも。あと、劇伴もとても良い。お祭りの民族音楽っぽい曲とか好きです。
一つ欠点を挙げるとすれば、多分人間で言うと20歳くらいのジンジャーに言い寄る長老様がめっちゃキモかったことくらいかな…。下手したら孫くらい年離れてるし、犯罪だろ…。


今だとなかなか聴けないような時代を感じるキャストも良かった。やっぱり水橋かおりさん好きだなあ。石毛佐和さん、オタク黎明期によく聴いてたんだけど、今も活動してるんだろうか…。
川上とも子さんが逝去された今となっては、シュガーにもう会えなくなったサガのように、もう聴けない声なんだよなあ、とか、最終回を見ながらそんなことを思いました。

天使のたまご ★★★★★★★☆☆☆

天使のたまご Blu-ray

天使のたまご Blu-ray

  • 発売日: 2013/08/21
  • メディア: Blu-ray


こんばん天。「天使のたまご」といえば「あなたのハートにエンジェルビーム」です。受験勉強のお供だったなあ。てか、まだ放送してるのすごいよね。
なぜかdアニメストアに2007年の「由衣がサンタに着替えたら…」があったので今観てるんですけど、季節柄とはいえ、開幕『恋の天使 舞い降りて』は神すぎませんか??イントロで死ぬやつ。
この時代の曲だったら全部分かるんだけど、就職してからはご無沙汰になってしまったなあ。『ラブリ♡エブリデイ』、あの頃は狂ったみたいにリピート再生してたんだよな…。


…ではなくて。押井守監督の『天使のたまご』を観ました。難解で有名、という話だけ知っていたので、どんなもんなのかな?と思って。
1985年に劇場公開、根津甚八が出演、難解な内容のため大コケ って連想クイズ、まだ出るんだろうか。ここ数年引いてないような気がするなあ…。


…難解というか、ストーリーらしきストーリーもない、キャラクターは少年と少女の2人しか出てこないしセリフもほとんどない。無音のシーンがやたら多い。想像を超えてましたね。
天野喜孝デザインの絵が動いていることにはすごく価値がある…というか、これ動く絵画鑑賞なんだよな。1分以上動かなくてセリフがないと放送事故か?と思うし。放送じゃないけど。
あと、たまごが割れてしまったことに気づいた時の少女の絶叫の声が大きすぎてびっくりしました。なんでも、退屈で寝てしまう人もあのシーンで起きるんだとか。確かにw


音楽もそれ単体では悪くないんですが、あまりに幻想的な世界観なので、音楽が大きく鳴ってるところはちょっと邪魔かなー、とか思ったり。逆に没入感が削がれてしまうというか…。
商業で自分の趣味を追求するとこうなるのか、ということが良く分かりました。「完成しないと意味がない」のもそうですけど「伝わらないと意味がない」んじゃないかなあ…。
雰囲気が好き、という人がいるのは分かるけど、オチは『ビューティフル・ドリーマー』の二番煎じって感じだし、正直弱いよなあ、とも。芸術枠ならまだ『オネアミスの翼』の方が好きかな。

Kanon(2006年京アニ版) ★★★★★★★★☆☆


昨日あんな記事を書いておきながら、ジャパニメーションの極致みたいな作品を観ているという。
オタクの基礎教養ではないですが、「泣きゲーの先駆け」と言われたこの作品に触れたことがなかったので、いつかは観たいな、と思っていて。このご時世で2日間家にいたので良い機会かなと。
2006年の秋当時は多分、週に10本も観ていたかどうかで、Kanonは観ていなかったんですよね。『コードギアス』『ネギま!?』『おとボク』とか好きでした。量産型オタクゆえ。


原作は1999年に発売された恋愛ADVなので、今観ると大分古さも感じますね。まず、いたる絵の違和感。かなりアレンジはされてますけど目がでかすぎる。中原杏先生の少女漫画かな?
そして、出てくるヒロインの頭のネジがみんな数本飛んでいる。「うぐぅ」「あぅーっ」「あははーっ」が口癖とか、無口でコミュニケーション取れないとか…。
どこかで「Kanonのヒロインは全員発達障害では?」みたいな主張を見たことありますけど、観終わった今となっては確かに、と思ってしまう( 相対的に名雪が常識人に見えるもんなあ。
変な口調も、テキストならまだしも実際に発音されているとまた印象変わりますしね。真琴とか、「あぅーっ」が口癖で幼児退行していくし…。


所謂、共通ルートっぽいところから、真琴ルート、舞ルート、栞ルートを経てあゆルートで〆、みたいな構成。名雪は全編に満遍なく絡んでくる感じ。
結構上手く再構成されていると思うんですけど、同時に、恋愛アドベンチャーゲームをアニメ化する際の難しさも現れているな、とも感じました。


つまり、ゲームでは特定のヒロインのルートに入ると、その子に特化していくのに対し、この構成だと、どうしても主人公が手当り次第にヒロインに手を出しているように見えてしまう。
作風上、各ヒロインのかなり深いところまで主人公が踏み込んでいくので、そこまで深い関係でもない子に入れ込めるのか…?という疑問を(特に中盤以降)感じましたね。
この問題点は、後年だと『ヨスガノソラ』とか『アマガミSS』みたいにヒロイン毎に完全分割したり、『ましろ色シンフォニー』みたいに、予想外の締め方をしたり、と解決法が出てますが。
真琴ルートに関しては、そこそこ尺もあったので説得力もそれなりにありましたが、特に舞、栞ルートに関しては消化不良感がありました。あゆは良かった。名雪は犠牲になったのだ…。


上手いなあ、と思ったのが、この作品の特徴である「奇跡」について。ヒロインが各々、不治の病だったり昏睡していたり、命に関わるような深刻な問題を抱えているのがポイントなのですが。
それを、各々のルートでは「奇跡」が起こることでハッピーエンドになる。でも、アニメのように一つに繋げてしまうと、どこに「奇跡」を持ってくるのか?ということになってしまう。
最終話で、栞が「大好きな人に笑っていてほしい」というのが願いで、そのためには周りの人も幸せでないといけない(から、全員助かった)と言うのは素直に舌を巻きましたね。
そういう理屈で、全員助かるハッピーエンドに持っていくのか…という。鍵作品の奇跡推し、正直あまり好きではないんですが、今作は収め方がテクニカルだったので納得させられた感じ。


サブヒロイン厨なので、アニメを見た中だとやっぱり名雪かなあ、と思うんですけど、あゆの「ボクのこと忘れないでください」からの「ボクのこと忘れてください」は強かったですね。
真琴の「春がきて…ずっと春だったらいいのに」とかもそうですけど、台詞に文学的センスのある作品だからこそ、話題作足り得たのかな、と。恋愛ゲーム原作アニメの中ではかなり好きな部類。
余命幾ばくもない設定なのに普通に出歩いてるやん、とか、色々ファンタジーやご都合設定は多いですけど、それはまあそういうものだから…と、受け入れられるのがキモオタクの素養なのかも。


そういえば、鍵作品特有の茶b…もとい、軽妙な会話シーン、なんか懐かしかったですね。
特に11話とか、ヤマカン演出回だったからだと思いますけど、北川との掛け合いが謎のシュールさで笑いました。ヤマカンっぽさが一番わかりやすく出るのって、こういう日常シーンなのかも。

ガラパゴス化したジャパニメーションの話

globe.asahi.com


数日前、とても興味深いインタビューを見かけました。インタビュアーと片渕監督とのディスコミュニケーションが著しくてちょっと面白い。アンジャッシュのコントかな?



まあ、こんな感じの経緯らしいので、所謂今のオタク向けアニメを単純に批判しているわけではないんでしょうけど、それでも印象的なフレーズがいくつかあって。

いわゆる思春期ですね。いま後期思春期って40代まで含まれるんです。世界的に!
そこまでの人が「これは自分のことだ」と思い、日本のアニメの主人公がみんな高校生なのに、あれを自分のことだと思い込んじゃうんです。
これは実は、大丈夫なのかって思わなければいけないことです。


冒頭から耳が痛い。日本の深夜アニメで人気が高い作品というのは、概して中高生が主人公なことが多いし、そこに共感する受け手もまた多い。勿論、自分も例外ではない。
所謂「深夜アニメ」に対する感性は、自分自身が高校生だった頃とそこまで変わっていないと思うんですよね。特殊なんだけど、あまりに長期間観ているので慣れて感覚が麻痺しているというか。

日本のアニメーションの中にジャンルが一個しかないのはおかしいと思いませんか?
だって今は、『名探偵コナン』まで同じジャンルに入っているんですよ。
名探偵コナンは少なくとも子供向けとして始まったはずなのに、いつの間にか同じ「隙間向け」のジャンルに入ってきているじゃないですか。おかしくないですか?


『コナン』を例に挙げ、子供向け作品ですら、放送を重ねるにつれ、対象年齢が上がってきている、という指摘。
数年前、『ゼロの執行人』が公開された際、帰省して母と話している時に「コナンの映画を観に行ったら、大人向けになっていて驚いた」と言われたのを思い出しました。
母はアニメには特に興味はなく、自分や妹が子供の頃、毎年一緒に観に行っていたコナンを、今でも映画だけ観ている、という感じなのですが、そういう感想になるんだな、と。
確かに「安室の女」みたいな当時の盛り上がり方は、子供向けというよりは、大人向け、オタク向けのそれだよなあ、とも。それが良いとか悪いとかの話ではなく。


実際、自分も今ちょうど『僕のヒーローアカデミア』観てるんですけど、めちゃくちゃ面白いんですよね。これでも、少年読者以外に、女性人気が高い作品として有名だし。
大人の(監督の言葉を借りるならば「後期思春期」の)オタクが観て楽しめる作品が殆どである、という意味では、確かにガラパゴス化していると言えるでしょうね。

海外のアニメーションの主流というのは、例えば『フナン(FUNAN)』(2018年仏アヌシー国際アニメーション映画祭長編グランプリ受賞)というフランスの映画。
デニス・ドゥというカンボジア系の監督ですけど、ポル・ポト時代のことを描いています。
また、アイルランドのノラ・トゥーミー監督の『生きのびるために(THE BREADWINNER)』(同長編審査員賞受賞)は、タリバーン支配下アフガニスタンを描いていますね。
スペインのラウル・デ・ラ・フエンテ氏とポーランドのダミアン・ネノウ氏が共同監督を務めた
『アナザー・デイ・オブ・ライフ(ANOTHER DAY OF LIFE)』(19年東京アニメアワードフェスティバル長編グランプリ受賞)は、アンゴラ内戦を描いています。


『生きのびるために』、昨年神戸で『ロング・ウェイ・ノース』を観た際に予告編が流れていて面白そう、と思ったのですが、各国でもこういう政治色のある作品が作られているんですね。
その上で、こういう作品が日本で出てこない事実について指摘されていますけど、色々な側面のある問題だよな、と思うわけで。


まず1つに、今の受け手がそういう作品をあまり求めていないであろうこと。間違いなく深夜アニメのトレンドと合わないし、かといって劇場公開してもヒットするかは怪しい。
この手の作品を好んで観る層が、わざわざアニメという媒体を選ぶかも疑わしい。実写映画ならともかく…。そもそも実写ですら、最近は漫画原作の思春期の心の機微、みたいな作品が多いのに。
周りを見ても、日本の(近年の)アニメとか、声優にしか興味がない、というオタクの方が圧倒的多数だし、アニメ映画を好んで観る層ですら決してアニメオタクの多数派ではないと思います。
オタクならカレントなアニメや漫画やゲームだけでなく古典にも触れるべきだし、小説や映画にも知悉するべきでは…みたいなのはもう古いオタク感なんだろうな、とは常々思いますし。


もう1つ、というか上記の結果として、そういう企画って通りにくいのではないだろうか、という。商業ベースでの成功が見込めるとは思えない。
だからこそ、クラウドファンディングという形で片渕監督が『この世界の片隅に』を制作した、ということなんでしょうけど。需要がない、という厳しい事実。


そして、態々そこに踏み込まずとも、ガラパゴス化した日本のアニメは一部の(そして大多数の)オタクに受けている、という事実。これが一番大きいんじゃないかなあ。
自分も『この世界の片隅に』も『マイマイ新子と千年の魔法』も好きですけど、やっぱり日本のコテコテの萌えアニメも、学園もの、青春ものも好きなんですよね。
そういう方向しかない、というのは不健全かもしれないけど、その方向においてはガラパゴス化しているが故に、他国よりも優れた作品が多いし、マーケットも大きい。


あと、海外の名作アニメ、自分も観る機会さえあれば観たいですけど、地方では中々厳しいという現実も大きい。今は、配信サービスに加入すればどこでも日本のアニメは観られる。
それに対して、『ロング・ウェイ・ノース』なんて、帰省のタイミングと上映時間が合ったからようやく観られたけど…くらい。都会民の趣味だよな~。


まとまりもなく書きましたけど、「後期思春期」というワードがなかなか刺さったなあ、と。でも、思春期にそういう作品に出会ったことが良くも悪くも核になってるからなあ。
今更そこは変わらないんだよな…とも思ったり。それこそ、大人になってからアニメに触れるようになったらまた違うんでしょうけど、多分、もう手遅れなんだよな…。

劇場版『SHIROBAKO』 ★★★★★★★★★☆

遊びに行くついでに観る予定にしてたんですが、色々と中止になったので近場で。


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色紙はみゃーもりと宮井さん。一番普通(?)のやつでしたね。タローと平岡君のやつとか割と攻めてそう。


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TVアニメ版の感想。概して良い作品だと思ったのですが、大きく言うと不満点が2個あって。
まず「エピソードごとがまとまっているが故に繋がりが薄く、あまり次回を観ようと思えない」こと、もう1つは「明らかに物語の進行上障害になるためのヘイト用キャラがいる」こと。
1つ目に関しては劇場版であれば関係のない話だし、2つ目も流石に同じようなあからさまな展開にはならないだろう、と思ったので、割と劇場版に対する期待度は高かったです。


第三飛行少女隊』を制作してから4年後の武蔵野アニメーションが舞台。公開まで1年を切っているオリジナルの劇場作品を公開するため、宮森以下みんなが奮闘する…という流れ。
テーマがテーマなので仕方ないですが、やっていることはTV版と基本的には同じでしたね。違うのは、当時とはアニメ業界が、そしてムサニを取り巻く環境が様変わりしていること。
冒頭、宮森が第三飛行少女隊の2期を確認しようと会議室の扉を開け、かつての仲間とみんなでワイワイしている…のが幻想だった時の衝撃。そうくるのか、という驚きがありました。
トラブルでオリジナル作品が立ち消えになり、下請けに甘んじるようになり、かつての社員も大部分が抜けてしまったムサニ。そこに舞い込んでくるオリジナル劇場アニメ制作の話。


丸川「前」社長から「好きなだけじゃ駄目だ、それだけだと遅かれ早かれ必ず挫折する」と厳しいアドバイスを受ける宮森。そして突然始まる謎のミュージカル。思ったより尺も長い。
そこで立ち直ってから、徐々に4年前のメンバーに声をかけていき、監督、井口さん、ゴスロリ様、遠藤さん、タロー…と集結していくのは激アツでしたね。オタクはみんなこういう展開が大好き。
遠藤さんは流石にクズすぎやろ…ってなりましたが、嫁が天使で良かったなという…。いつの間にか下柳さんとも仲良くなってたし、4年という歳月がプラスに働いている例なんでしょうね。


TVアニメ版が2クールで様々なキャラクターの成長を描いていたのと比べると、この劇場版には成長という軸はあまりなかったですね。りーちゃんとかむしろ空白期間にめっちゃ成長してるし。
そうではなくて、成長したかつてのムサニのみんなが、更に4年経って、新たな困難にどう立ち向かうか。そこを割と真摯に描いていたと思うので、観ていて楽しかったし、頼もしかった。
宮森はTVアニメの時から割と超人でしたけど、今回も挫折するかと思いきやほとんど自分一人で立ち直って完璧に立ち回るし、やっぱり超人でしたね。
完成させないと意味がない」という、一番重要なところを繰り返し伝える実直さが好印象でした。最後が物足りないから直させてくれ、と拘るところも含めて。
そしてそこまで拘った完成作品が、じゃあ劇的に良くなったのかと言われると…?なのも、ものづくりってそういうものなんだろうな、と思わされたりして。


TVアニメ版は、アニメを作っているシーンこそ多かったけど、完成したものが実際に流れるシーンがあまりなかったので、そういう意味では劇場版のほうが説得力があったと思います。
それにしても尺長いなwとは思いましたけど、やっぱり完成形が見たいですからね。下手したらというか、間違いなく劇中劇(と妄想シーン)が一番動いてて笑いました。


メッセージ性を感じられてとても良かったんですが、新キャラがほぼ空気で、出した意味ある…?って感じだったのと、この内容なら1クールくらいでも出来そう、とも思ったりして。
あまり次回作とかあっても同じような展開をなぞることになると思うので、これが一番の形かな、とは思うんですけど、もう少しこの世界を見ていたい。そう思ってしまう作品でした。

理系が恋に落ちたので証明してみた。 ★★★★★★★★☆☆

KACが流れた途端に急にモチベーションが下がって、結果ブログを毎日更新するようになったの、我ながら分かりやすいと思う(挨拶)。



アマプラで全話一気に観放題だったので、金曜夜の癒しとして、ちょいちょい観進めていたのですが、結果的に地上波より早く観終えてしまいました。
タイトル通り、理系大学院生の男女が恋をするも、この感情は本当に恋なのか、実験して証明しようとする…という、なんというかよく分からない流れ。
心拍数を測ってみたり、体温上昇を計測したり、はたまたデートに最適な環境条件を算出したり、デートコースの所要時間を最適化したり…とまあ色々。


恋を証明しようとする雪村心夜と氷室菖蒲の2人については、1話からずっとバカップルぶり全開で、ギャグとしてはスベリ芸に近い。
要所要所で出てくる理系用語のふわっとした解説と、それをあまりにしょうもない事象に適用するギャップで笑う、といった感じでしょうか。


これ一辺倒だとマンネリですが、研究室にはもう一組、幼馴染の棘田・犬飼ペアがいて、こっちはこっちで結構面白い。基本的にはからかわれてるだけなんですけど。
2組のカップルと、みんな大好きな可愛い常識人の後輩・奏言葉。人物間のバランスが割と良いので、飽きずに最後まで楽しめたかな。


終盤、色々と策を練って2人の仲にヒビを入れようとするOBの漫画家が出てきた辺りはちょっと悪ふざけの一線を超えているような気もしましたが、雨降って地固まるか…。
作画や主題歌もそこそこ良かったし、奏ちゃんがいるおかげでボケ倒しにもならず、佳作ラブコメだったと思います。

劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~


残念ながら参加予定だった東京のコンサートは中止になってしまいましたが、ちょうど届いたので観るか、と。もう劇場で見たのが1年近く前になるんですね。去年もあっという間だったなあ。
当時は原作を読んでいませんでしたが、改めて読んだ上で観ると、こんなに短いのか、と。100分で二年生編を描いているってすごいよな…。まあ『リズ鳥』と分けてるから実質3時間か。
コメンタリーとかあったらもっと良かったのに、と思ってブックレットの対談を開いたら、監督と山田さんはともかく、残り2人が池田さんと西屋さんだったのでなんとも言えない気持ちに…。


原作を読んでからだと、夢ちゃんのくだりとか、色々カットされているシーンが多いことに気付きますね。黄前久美子から見た2年生編、はこんな感じで間違いないんでしょうけど。
希美とみぞれについては『リズと青い鳥』でやってるとはいえ、他はどこかで補完してほしいなあ、というのも事実。当時原作ファンが色々言っていた理由がちょっとわかったかも。
見返してみると、思った以上に目線が雄弁に語っていることに気付きました。特に本番シーン、特典の絵コンテを見ながらだとポイントが分かりやすい。めっちゃ分厚いけど…。


先日、機会があってユーフォの話をしていたところ「2期はイマイチだったんですよね」と言われ、理由を聞いてみると「先輩が部を辞めるとか、つまらないことで揉めているように見える」と。
これ、割と的を射た意見だと思うんですよね。1期に比べると、2期はストーリーにまとまりがない。とにかく「府大会突破」というわかりやすい目標に向かってストーリーが収束していく1期。
それに比べると、2期は希美とみぞれの関係、久美子と姉の関係、そしてあすか先輩。軸はいくつかありますが、その全てが言ってみれば人間関係。散逸しているのはその通りかな、と。


ただ、やっぱり自分としては、これくらい表面化しないまでも、心のなかでは色々あるのが吹奏楽部員だろ、と思ってしまうので、説得力は2期の方が断然高いし、好きなんですよね。
コンクールの意味とは、部活と受験との両立はどうすれば、部内の人間関係は…。『誓いのフィナーレ』でもそうですが、多かれ少なかれ、みんな悩みを抱えながら部活に臨んでいると思います。
私は頑張れば何かがあるって信じてる。それは絶対ムダじゃない」って言い切ってくれた久美子を観て、当時何か救われたような気持ちになったことを思い出しました。
…でも、今観てもメンバー発表で奏が呼ばれた時の驚きの表情はちょっと面白い。「え、この編成でユーフォ3本なの!?」みたいな。自分も当時は同じリアクションしながら観てたな…。
あと2年生編は、もちろん久美子世代を見ているのも楽しいけど、一学年上、吉川・中川世代に思いを馳せずにはいられないんですよね。吉川優子、あまりに理想的な部長すぎる…。
あれだけ頑張って、泣き崩れてからのあの演説、カリスマ性の塊でしかないな、と改めて思いました。2年生編はこの後が健気で大好きなんだけど、何とか映像化されないだろうか。


観直してみて、改めて大好きな作品だなあ、と思えましたし、3年生編を楽しみに待とうと思います。
そういえばイベントの応募券がついてたから忘れないうちにと思って応募してみたけど、上映会付きなんですね。3時間も一気に観たら重すぎて感情がしんどくなりそう。