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シン・エヴァンゲリオン劇場版 ★★★★★★★★★★

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内容の如何より、ネタバレを踏むのを避けるためにSNSが観られないのが不便なので、とりあえず公開初日に観に行くことにしました。
ただ、上映時間が長すぎて、田舎ゆえ定時ダッシュしないと間に合わない。何事もなく終われば…と思っていたのですが折り悪く仕事が長引き、予定していた電車には乗れず。
諦めきれずに帰宅してから別の映画館を調べ、帰りをタクシーにすれば遅い時間の上映でも行ける、と思って20時過ぎからの回を観てきました。割増料金のタクシー、高かった。


…さて、普段はいちいち書かないんですが、タイトルがタイトルなので一応。当たり前ながら感想にはネタバレを含みますので、これから映画を観る予定がある人は自己責任で。
感想は自分用メモなので的外れでも責任は取らないよ、というエクスキューズもつけておくべき?…流石にそこまで書かなくてもコアなファンがこの感想を読むとは思えないけど。










まず冒頭、これまでのあらすじから第三村でシンジが立ち直るまでのシークエンス。ここが非常に丁寧で良かったですね。
そういう作品ではないのは分かってるんだけど、「そっくりさん」」が感情を学習していく様子とかも含めて、もう少し観ていたいな、と思ってしまった。
『Q』の時は時間の経過のマイナス面が強く描かれていた印象があったけど、今回はプラス面が多く描写されていたような。心境の変化なのかもしれない。
そういえば、本筋とは全然関係ないんですけど、途中に登場した車のナンバープレートが「え 17-01」だったのにめっちゃ反応してしまいました。
スタートレック』のエンタープライズ号(機体番号NCC-1701)なんだろうなあ。…なんでこんなことを知ってるかって、親がファンゆえ、実家の車もずっと「17-01」だからです(


ヴィレに乗船してからは、専門用語を連発して何やらわけがわからなくなるけど面白い、「エヴァ」らしさが戻ってきて懐かしさを覚えました。
思い返そうとしてもこの辺理解しきれるとも思えないし、あっという間に終わってしまった感が強いのであまり書くこともないのだけど。「面白かった」でいいか(思考停止)。


そして、遂になされた父と子との対話。ゲンドウの長い独白と、それを諭すシンジ。
庵野監督がゲンドウに自身を、そしてこの作品に縛られていたオタクファンを投影しているのは最早自明に見えるけれど、今度はシンジとして、アスカを、カヲルを、レイを救う。
あたかも、エヴァに「囚われていた」ファンを作品の手を借りて解放しているようでしたね。…でした、というかもうそのままに見えたけど。


そしてラストシーン、まさかの宇部新川駅でびっくりしましたね。さっき乗ってきた黄色い電車が出てきたら流石に笑うでしょ。劇場ちょっとザワついてたし。
最後に隣にいるのがマリだった、というのもそれなりに衝撃ではあったんだけど、それが吹っ飛ぶくらいのインパクトがあったな。一気に現実に戻された気分。
途中の工場の風景も「明らかに宇部興産に見えるけど、まあ監督の地元だしロケに使ったのかな?」くらいに思ってたら本当に興産だったし。もうご当地アニメやん。
そしてクレジットで「斎藤千和」の文字を見てまた衝撃を受ける。…え、どこに出てたの?(ファン失格)前半、アイキャッチ出るまでに出てきた誰かってことなのかな…?


…とまあ、色々サプライズもありつつ、全体としてはとても綺麗にオチていて、すっきりした作品でした。勝手にもっと毒気があるものだと思っていたので、良い意味で予想外。
シンジの手に世界が委ねられる、という意味で、間違いなくセカイ系の系譜なのに、不思議と独りよがりに見えない。見せ方次第でこんなにも印象が変わるんだなあ、と。
『破』とかと比べるとアクションシーンが少なめだったのは少し寂しい気もしますが、「力で解決する問題ではない」からいいのかな。ちょっとメトロン星人との対決っぽかったよな。
遠い昔に観た、所謂「旧劇」のアンサーっぽさはかなり感じたので、作品に思い入れが深ければもっと楽しめたかも、とは思いますが、あれをもう一度観るのはキツいしな、とも(


そんな感じで、表現が難しいのですが、最大公約数的な終劇だったのではないかと。少なくとも、自分はとても満足しました。無理して公開日に観に行って良かったな。