適当な日常を綴る’

明朗・潑溂・無邪気なブログ

犬王 ★★★★★★★★★☆

室町の京の都、猿楽の一座に生まれた異形の子、犬王。周囲に疎まれ、その顔は瓢箪の面で隠された。
ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚と出会う。名よりも先に、歌と舞を交わす二人。 友魚は琵琶の弦を弾き、犬王は足を踏み鳴らす。
一瞬にして拡がる、二人だけの呼吸、二人だけの世界。
「ここから始まるんだ俺たちは!」
壮絶な運命すら楽しみ、力強い舞で自らの人生を切り拓く犬王。呪いの真相を求め、琵琶を掻き鳴らし異界と共振する友魚。
乱世を生き抜くためのバディとなった二人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく。頂点を極めた二人を待ち受けるものとは――?
歴史に隠された実在の能楽師=ポップスター・犬王と友魚から生まれた、時を超えた友情の物語。


都会に出てきたついでに映画を観るいつもの流れ。TOHOシネマズの6回観たら無料になるやつを使ったのでタダ映画。
平家物語』と同じ作者だというのは知ってたけど、「犬王」という人物が実在するのは知らなかった。フィクションのキャラクターだとばかり…。


能楽師をポップスターと解釈し、ロックで室町時代の人々を魅了する、という攻めた設定と湯浅ワールドとの相乗効果で、なんというか、呑まれてしまいました。
今考えたら鳴ってる音がエレキギターだしどうなってんねん、みたいなツッコミはできるんだけど、観ている時は単純にエンタメとして楽しかった。感じるタイプの作品なのかも。
印象に残っているシーンがほぼイコールで歌唱シーンなので、映画館で観てよかったと思いますね。多分、自宅で配信で観ていたら面白さが半減していたと思います。


キャストに本職の声優さんがあまりいなかったけど、個人的には全く違和感がなかったです。むしろ松重豊とか結構良かった。ツダケンは流石だったし。
音楽のインパクトにかなり振っている分、キャラクターの深掘りはあまりなかったのでちょっと印象は薄いけど、主眼は人間ドラマではないだろうし、気にするものでもないか。
正直、「芸術的すぎてあんまり楽しめないやつでは?」と危惧していたところがあったので、むしろ逆だったのが好印象。劇中音楽、また聴きたいですね。